水底フェスタ (文春文庫)

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本棚登録 : 1342
レビュー : 140
著者 :
とやさん 特集:辻村深月   読み終わった 

 辻村さんの本に光を求めている人は、この本は読まないほうが良い。
 これが『冷たい校舎の時は止まる』や『子供たちは夜と遊ぶ』を書いたのと同じ作家さんのものだと思うとビックリする。
 そして、こういうのを読んで理解できる年齢まで成長していて良かったなと。

 田舎にある閉塞感と、秩序を守るための不文律。
 「村八分」という言葉の意味が今も生きる小さな山奥の村で起こる、小さな騒動と恋の物語。

 ドロドロです。どんどん泥沼に嵌って溺れていくような。その泥沼というのが、主人公を取り巻く環境すべてなのだからなおさら救いようがない。
 自分が女性だからかもしれませんが、随所に出てくる女性の立場がすごく気になりました。
 例えば、徹底して男性主義で回る主人公の家のお母さんだとか、小さい頃から、主人公の家にお嫁に行くのだと周囲から刷り込まれるように育った主人公の幼馴染だとか。
 社会進出して働く女性の「自由」と、村の中でだけ役割を果たす女性の「自由」というのは、同じ言葉でも意味合いが違うのだなと感じた。どちらが幸せで不幸か、ではなく、そういう生き方もあるのだということ。

レビュー投稿日
2014年10月16日
読了日
2014年10月16日
本棚登録日
2014年10月16日
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