3日間にわたる老人と巨大カジキの闘争も読み応えがあったが、老人と少年の師弟愛に心を打たれた。
老いぼれた老人であっても、少年にとっては漁の師匠なのだ。一方、老人は少年に言ったことを証明しようとする。漁師であり、師匠、男であることの証明だろう。「そんな証明は、もう千度もしただろうが、だからといって意味はない。いま一度、その証明をしようとしている。毎回が新しい回なのだ」(p.66)。こういうしょうもない男の考え方、好きです。
今は結果のみを重視する風潮があるが、周りの態度が変わり、少年が涙する意味を大切にしたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年3月3日
- 読了日 : 2017年2月27日
- 本棚登録日 : 2017年3月3日
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