移民 棄民 遺民 国と国の境界線に立つ人々 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2019年4月24日発売)
3.27
  • (2)
  • (6)
  • (2)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 76
感想 : 8
5

とても面白かった。
ベトナム難民2世、ウイグル、台湾ひまわり学運などどれも今読んでも時勢に合う新鮮な話題で、筆者の先見の明に敬意!

ひまわり学運のときに筆者が感じた「情緒的な感情の揺れ」も興味深かった。
もちろん、記者はある対象に強い思い入れを持ちすぎると公正な取材・執筆ができなくなるし、常に冷静に観察することを忘れてはいけないと思う。駆け出しながら同じ職業についた私自身、それを日々痛感するし忘れてはいけないと思っている。

でも、そんな職業的倫理と、個人的な好意を抱くことって両立し得ないのだろうか?

自分の心から応援したいものに蓋をし、永遠に当事者ではなく傍観者であり続けないといけない。
一生何かにフルコミットできない。
もし記者の正しい生き方がそれであるのなら、一抹の寂しさが拭えないな。
駆け出しの若者として。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月22日
読了日 : 2021年2月22日
本棚登録日 : 2021年2月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする