国家の闇 日本人と犯罪「蠢動する巨悪」 (角川oneテーマ21)

  • 角川書店 (2012年3月9日発売)
本で見る
3.34
  • (1)
  • (14)
  • (12)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 97
感想 : 9
3

組織犯罪の戦後史…というところか。新潮文庫の『未解決』と
重複する部分が多々あるのはご愛嬌か。

多くの報道陣の目の前で刺殺されたのは、オウム真理教の村井秀夫
だけではない。豊田商事の永野会長刺殺事件も、実行犯が堂々と
「俺が刺した」と報道陣の前に登場した。

この豊田商事のペーパー商法の詐欺のノウハウが、現在の振り込め
詐欺やオレオレ詐欺に連綿と引き継がれている…なんてのは興味
深い。詐欺の「秘伝書」なるものが存在しているそうだ。

さぁ、では誰が何のために永野会長を刺殺させたのか。

豊田商事事件に限ったことではないが、著者お得意の謀略説が
延々と述べられている。分かっているんだ。「闇社会」と「闇の
紳士」が裏ですべてを動かしているって結末は。

古くは下山事件や3億円事件、グリコ・森永事件からライブドア・
野口氏刺殺事件まで。一橋氏にかかるとぜ~~んぶ闇の紳士
たちが大活躍だ。いいけどね、それでも。

確かにこの世の中、事件の裏でほくそ笑んでいる人間はいる
のだろう。ロッキード事件の角さんなんて、正に「はめられた」
という感じだもの。

闇社会と闇の紳士の悪行を公にするのは難しいのだろうな。
取り敢えずは、ロッキードもリクルートも逃げ延びた中曽根
康弘に事実を語ってもらおうか。笑。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 事件・事故・災害
感想投稿日 : 2013年1月30日
読了日 : 2013年1月30日
本棚登録日 : 2013年1月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする