今上天皇 つくらざる尊厳 級友が綴る明仁親王

著者 :
  • 講談社 (2013年12月6日発売)
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感想 : 3
5

先日、報道写真展を訪れた安倍晋三は今年はどんな年だった
かと聞かれ、「実り多い年だった」と答えていた。

本日、12日23日は天皇誕生日。一般参賀での天皇陛下の
お言葉では「様々な自然災害が日本を襲い、決して安泰
であったとはいえない1年が過ぎようとしています」と
今年を振り替えられた。

そもそも比較すること自体が不敬だとは思うが、安倍の
発言とのこの違い。安倍の「実り多い1年」は自分だけの
ことだよね。国民のことなんかな~んも考えていない。

「国民と共に」の陛下だからこそのお言葉なのだろうが、
折々のご公務で拝見する両陛下のお姿には心から国民の
生活を思うお気持ちが伝わって来る。

あ…私は決して右寄りの人間ではありません。ただの皇室
ウォッチャーです。

今上天皇。明仁親王の学習院高等科までの同級生が本書の
著者である明石氏である。明石氏自身の子供の頃は勿論、
級友として接した今上陛下のお姿を綴ったのが本書だ。

大戦中の疎開の様子、戦後の皇太子殿下としてのご生活、
また学習院の馬術部での活躍など、級友ならではの
エピソードが盛りだくさん。

現在の今上天皇のお人柄は生まれ持った資質もあるのだろう
が、やはりヴァイニング夫人と小泉信三氏の影響が大きい
のだろう。

この小泉信三氏にまつわるエピソードが感慨深い。小泉氏の
随想に戦時下、奥様の誕生日の為に花を買いに行く話がある。
小泉氏が急死した後の奥様の誕生日。小泉氏が送ったのと
同じ花束が届けられた。

送り主は当時、皇太子妃だった皇后陛下。今上天皇とご
相談の上で送られたのだろうと明石氏は説明している。

やられましたわ。じんわりと心に迫ったもの。人を想い
遣るお気持ちとは、こういう気遣いなのかもしれない。

尚、本書では所々に明石氏の苦言が記されている。特に
印象深いのは皇太子時代、ご公務の為の出席日数不足
から学習院大学中退を余儀なくされたことに対する
明石氏の静かな怒りだ。

自信を公平に扱ってくれることを望んだ今上天皇の
こだわりが随所にあり、陛下のプライベートのお顔
を知ることの出来る良書だ。

尚、今上天皇の馬術の腕は相当のもののよう。しかし、
即位後にはお好きであった乗馬はお止めになられたとか。
そういえば、皇太子時代のご一家の乗馬姿の写真を
見たことがあったな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月20日
読了日 : 2014年12月24日
本棚登録日 : 2017年8月20日

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