下巻はサン=ロー攻略からパリ解放とその後までを扱う。
前線の状況を認めることが出来ないヒトラーに対して起こされた暗殺未遂事件。
これで疑心暗鬼に陥って、ますます自己の主張に固執して行く独裁者は本当に
憐れだ。
このヒトラーに勝るとも劣らず憐れなのが、モントゴメリーである。アメリカ軍は
もとより、自国の大英帝国からも酷評される始末。まぁ、自己顕示欲に長けて
口先だけの行動力じゃ仕方ないか。
上下巻通じて、戦闘場面の綿密な描写が続くがそれだけではない。前線で
戦い、命を落として行った兵士たちや連合軍を迎え入れたフランスの人々
の人間ドラマをも描いている。
Dディを扱った作品は他にもあるが、本書は新たな定番になるかもしれない。
ただし、上下巻で計6000円はかなり懐には痛いけれど。
余談だが、ヘミングウェイの話が少々出て来る。これを読むと「うわっ、こいつ
嫌な奴」と思ってしまう。書かれた作品と作家の人格は別物なんだなぁと
改めて思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
戦争・紛争
- 感想投稿日 : 2012年1月25日
- 読了日 : 2012年1月25日
- 本棚登録日 : 2012年1月25日
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