タネはどうなる?!~種子法廃止と種苗法運用で

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レビュー : 10
著者 :
sasha89さん  未設定  読み終わった 

米、大豆、麦など、野菜を除いた主要作物の安定した生産と普及を
促進する為、国の管理下、都道府県が優良な品種を選んで増殖させ、
安定して農家に供給すること並びに、原種、原原種の維持を義務付
ける。

所謂「種子法」によって、戦後日本の農業と食は守られて来た。その
種子法が2018年4月1日にひっそりと廃止された。

大手メディアの報道もほとんどなかった。だから、私が知ったのも
廃止が決定してからだった。これはまずいんじゃないか?そんな予感
を裏付けてくれたのが本書である。

民主党の鳩山由紀夫政権下で農水相だった時には著者にいい印象を
受けなかったのだが、本書は農業の素人にも理解しやすいように
種子法廃止と種苗法改正によって、どのような影響があるのかを
記している。

先日読んだ『ファーマゲドン』で食肉の将来に不安になったのと
同様に、本書では農作物の近い将来に多大なる不安を抱かせる
内容になている。

なんだろうな…と思う。農家が種子の自家採取を自家採取をするの
は当たり前にことだと思っていたのに、農水省令で例外が認められ
ているなんて知らなかった。そして、将来的には原則禁止を想定して
いるなんて。

これは「農家は企業からタネを買え」ってことだよね。モンサント
などの遺伝子組み換え作物の種子を売っている多国籍企業があるよ
ね?しかも種子だけじゃなくて、農薬・化学肥料もセットでの販売。
おまけに農薬も化学肥料も「これだけの量を使いなさい」って契約
になるんだよね?

「民間の活力を活かす」と日本政府は言うけれど、すべては日本の
農業市場を多国籍企業に開放する為なんじゃないのか?

すでに日本で栽培されている野菜の種子は90%が海外産だと言う。
ならば、消費者の知らぬ間に遺伝子組み換え作物の認可が増え、
気がついたら食品パッケージから「遺伝子組み換えではない」と
の表示がなくなっているのではないか。

根底にあるのはTPPだ。水道の民営化もその為だろう。水も、農産物
も、私たちの健康に直結する。特に遺伝子組み換え作物については
マウスや豚での実験で異常が現れることが明らかになっている。

だから、ロシアなどでは禁止されているし、遺伝子組み換え作物の
市場を縮小している国も多い。それなのに、日本は世界と逆の方向
へ向かおうとしている。水道民営化もしかり…だ。

遺伝子組み換え作物だけではない。雄性不稔F1種の普及が人体に及ぼす
影響も不気味だ。

農業に携わる人たちだけではなく、一般消費者こそ本書を読んで考える
べきだと思う。自由貿易の促進の為に、食の安全をないがしろにして
もいいものだろうか…と。

レビュー投稿日
2019年2月26日
読了日
2019年2月26日
本棚登録日
2019年2月26日
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