獣の奏者 全5冊合本版 (講談社文庫)

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本棚登録 : 190
レビュー : 12
著者 :
satomaringoさん  未設定  読み終わった 

『鹿の王』が面白くて、他の上橋さんの本にも興味を持ち、5冊一気読み。途中でなかなか止められずに、つい先まで読み進めてしまった。「大人が読んでも面白いファンタジー」とのことだが、人間と獣の生き様は、児童書扱いだけだと勿体無い。多くの大人にも読んで欲しい。
「王獣」「闘蛇」という架空の生き物を描いているのだが、その描写がリアル。息遣いが近くで聞こえてくるかのよう。政治のために獣の生き方を制限してしまう人間の業の深さと、獣を獣のように生きさせたいと願うエリンの苦悩。獣だけでなく、エリンを取り巻く人間達・・・イアル・ジェシ・ヨハル・ジョウン・セィミヤ・シュナンなど多くの人物がそれぞれの悩みを抱え、魅力的に描かれている。
Ⅰ(闘蛇編)・Ⅱ(王獣編)で当初完結する予定であり、後日書き進められたⅢ(探求編)・Ⅳ(完結編)。Ⅱ巻で完了した方が良かったという意見も多くあるようだが、私はⅣ巻(そして外伝)まで読めて良かったと思う。母としてのエリン、そしてエリンの想いを継ぐ息子ジェシなど、若い頃だけでは描ききれなかった世界に出会えたから。
上橋さんご自身は、王獣編までを「獣と人の物語」で、探究編以降を「人と獣の歴史の物語」と表現されている。探究編以降は少し暗めだが、それでも暗さの中にあるわずかな希望が救い。外伝で少し気持ちを切り替えられるかもしれない。
壮絶であり壮大な物語に、読み終わった今も心奪われている。物語を辿りながら、「エリンと一緒に生き抜いた」という表現が相応しいか。

レビュー投稿日
2015年7月15日
読了日
2015年7月15日
本棚登録日
2015年6月29日
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