四季をめぐる51のプロポ (岩波文庫 青 656-3)

制作 : 神谷幹夫 
  • 岩波書店 (2002年3月15日発売)
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 プロポとは、一枚の紙に、下書きすることなく一気に書き上げた哲学断章のことで、このフランス人哲学者が生涯書き続けたものとのこと。これを毎日毎日やむことなく書き続けたことに、まずは素直に感嘆する。見習った方がいいのかも知れない。
 ここに書かれている文章の見事さは、ひとつひとつの言葉、比喩が、何かの代用物としてではなく、必然として存在していることだ。多くの場合、比喩やストーリーは、書き手が言いたいのだが直接書けないものを代わりに示す、代替物である。しかしアランのプロポが紡ぎ出す比喩は、その意味や真意を分析するようなものではない。彼は真実書きたいことを書いたのであって、文章の平易さも美しさも、そこに由来している。単純明快な哲学の、なんと奥深く難しいことか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2002年度岩波文庫
感想投稿日 : 2011年1月27日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年1月27日

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