楽しそうに生きてる人の習慣術-“心がいつも疲れている自分”とサヨナラする方法- (KAWADE夢新書 304)
- 河出書房新社 (2005年5月21日発売)
いつも元気ハツラツとポジティブに生きてる人はつらいとき、苦しいとき、どう考え対処するのか?
このちょっとした習慣を身につければ、毎日が好転しはじめる。
忙しいなかでも、いつも生き生きして見える人がいます。失
敗したり、カベにぶち当たったり、疲れきってしまったとき、
どんな考え方や行動をすれば、乗り越えていけるのか。ツマラない自分とサヨナラできる、珠玉のアドバイス。
『プレッシャーと「勝負」しても勝ち目はない.不安は隠さず言葉に出すと,自然と心が落ち着き,打開策も見えてくる.』
■目次
自然体で生きてる人の習慣術
―自分を責めずに生きる14の方法
(自分を否定して落ちこむ人、いたらない自分も愛せる人;コンプレックスを味方にできる人、失敗や欠点に我を忘れる人 ほか)
逆境に強い人の習慣術
―ミスやピンチをバネにする11の方法
(初心にこだわり“飛べない”人、新たな目標に挑戦できる人;頭を切り替えスッキリできる人、悩みにとらわれ動けなくなる人 ほか)
ストレスに負けない人の習慣術
―人間関係も仕事も楽しくなる17の方法(
嫌われるのを恐れて本心を出さない人、感情を上手に相手に伝えられる人;ストレスと上手につきあえる人、ストレスに押しつぶされる人 ほか)
いつも溌剌としてる人の習慣術
―疲れた心と体がよみがえる15の方法
(心身の休ませ方がうまい人、ムリして心身をこわす人;「自分の時間」を上手につくれる人、多忙を理由につまらなく生きる人 ほか)
ポジティブに生きてる人の習慣術
―コンプレックスをも味方にする15の方法
(自分らしく、楽しく生きる人、「らしさ」にこだわり自分を縛る人;いつも軽快なフットワークで生きる人、心の重さに足どりまで重くなる人 ほか)
1、あがり症の人によく効くクスリ
自意識には公的自意識と私的自意識があり、容姿や言動のように、
他人からも観察できる側面への関心の強さを、公的自意識といいます。
一方、私的自意識は感情や信念のように、他人からは観察できない内面への関心の強さのことです。
人前でのスピーチやプレゼンで自意識過剰になって緊張してしまう人は、公的自意識が強いといえます。
あがりやすい人は、一般的にまじめな努力家で、完全主義を追求しようとする潔癖な人で、自尊心が強く、公的自意識が過剰に働くため、
他人から注視され、評価を受けると思うと、あがってしまうのです。
あがってしまって失敗したくないと悩んでいる人は、
★逆に「失敗してもいい」「だれにでもあること」と自然に考えて、できるだけリラックスすること。
自意識過剰のレベルを適当なところまで下げ、緊張をゆるめ、「
いかにベストをつくすか」を考えて行動すれば、おのずと結果もついてきます。
2、漠然とした不安に効く「リスト術」
人は人生において、仕事、人間関係、家庭、とかく将来といった漠然とした不安にかられがちです。
そうした不安感に足をとられると、うまくいくことも頓挫しかねません。
ニューヨークのある精神分析医は、熾烈な競争の中で生きているビジネスパーソンに対して、悲観と楽観のリストをつくるという方法を進めています。
①大きな紙を用意し、中央に縦に線を書きます。それを自宅の書斎など、よく目につく場所に貼っておきます。
②毎晩、会社からもどったら、左右の欄に書き込みしていきます。その日に頭に浮かんだ楽観的観測と悲観的観測を、ひとつひとつ書き出していく。
③すべて書き終わったら、「悲観」の欄の項目をそれぞれ黒いマジックペンで消し、「楽観」の項目ははっきり声に出して読む。
人は漠然とした不安にとらわれているときは、気持ちの整理がついていません。
このリストをつくる方法をとると、心にうずまく思いを整理して自覚することができます。
★楽観的観測が成り立つ事実をしっかりと確認し、
悲観的観測を文字どおり消し去ることで、前向きな方向へ気持ちを向けられるのです。
3、言いたいこと言えない人の結末
現代で人は「自分のほんとうの気持ちを表に出したら、人に嫌われるのではないか」という不安があり、
言いたいことも飲み込んでしまう傾向がある。
しかし、心を開くべき相手にまで本心を隠していては、人間関係が深まりません。
嫌なことを言われたときに、なかなか「やめて」と言えない人も、やはり本心を伝える方法を考え直したほうがいい。
★本心を押し殺した結果、ひょんなことから抑えられていた気持ちが噴出し、
関係が破綻したりするのが目に見えています。
口に出さないと相手にわからないようであれば、思いきって言葉にして、きちんと伝えることが大切です。
4、コミュニケーションに強くなる「主張訓練法」
自己主張がうまくできるようになる考え方や態度、行動を身につける方法として、
「主張訓練法」があります。これは、是が非でも主張を通そうという身勝手な自己主張を身につけるのではなく、
相手を尊重し、その立場を認めながら、自分が言うべきことを積極的に表明するための訓練です。
「主張訓練法」では、過度に利己的な自己主張を「攻撃的行動」、相手の権利を侵害することなく、
正当な依頼・拒否、感情表現などをおこなうことを「主張的行動」、
相手の機嫌をうかがうばかりで、自分の考えを伝えられないことを「非主張的行動」と呼びます。
「主張的行動」を確実に習得できるようにおこなうのが、「主張訓練法」なのです。
自分に自信がもてず、人前では強い不安を感じて、自己主張したり、適切な行動をとったりできない人の場合、
対人不安を取り除くのを主目的として訓練を行います。
まず、どのような場面で不安を感じるかを、不安の度合いに応じて並べた「不安階層表」を作成します。
会社員の不安が低い順に次のような場面が考えれます。
①気の合う同僚と喫茶店で話す
②初対面の異性とふたりきりで話す
③直属の上司と一対一
④会社の重役と一対一
⑤初対面の取引先の部長と一対一で話す
次に、一般的な主張的行動の訓練をおこない、
①の場面から順に練習していきます。不安の度合いが低い対人場面から、
相手を尊重しつつ正当な主張ができるようにしていくわけです。
主張的行動がとれたという経験を重ね、自信をつけることが重要です。
5、ストレス解消には「適度なストレス」が効果的
人は暑さや寒さなどの物理化学的なストレスにはじまり、
過労や病気などによる生理的ストレス、人間関係や不満、失望、不安などから起こる社会的・心理的ストレスと
生きていくなかで影響を受けている。
ストレスの存在を無視しようとしても、不調から抜け出ることはできません。
明るく楽しく生きていくためには、ストレスと上手につきあうことが大切です。
それには、脳下垂体から副腎皮質までの機能が安定してはたらき、
適量の副腎皮質ホルモンが分泌されるようにすればいいのです。
そのために必要不可欠なのが、適度なストレスなのです。
★人間は耐性を強めるような学習をしていくため、
何かを記憶したり、注意を集中するといったストレスは、
抵抗力をつけ、やる気を起こさせます。
頭を使う仕事や趣味に適度に打ちこむことで、ストレス耐性が強まり、たくましく生きていけるようになります。
6、集中できないときこそ腹式呼吸
気分がのらないとき、目の前の課題に集中できないときなどは、
腹式呼吸をおこなうだけでも、やすらかな気持ちになれます。
まずは背筋を伸ばし、肩の力を抜いてあぐらをかきます。
両手も力をいれずに太股に軽く置き、伸び上がるように息を吸い、次にみぞおちをゆるめるようにして息を吐きます。
伸び上がった上半身が今度は沈んでいくような感覚でおこなうといいでしゅう。
そのさい、かける時間は、吸うのにたいして吐くほうが三倍くらいの長さになるようにします。
最後に息を吐くときは、上半身を前に倒して、息を吐ききるようにします。
はじめは両手をおなかに当て、吸うときにおなかがふくらみ、吐くときに引っこんでいるか、確認しながらおこなうとコツがつかめます。
7、「良質睡眠」で疲れをとる知恵
睡眠がじゅうぶんにとれず、交換神経がうまくはたらかないと、
「起きるのがつらい」「午前中は頭がボーッとしている」といった事態をまねきます。
これは自律神経失調症の症状のひとつです。
良質の睡眠をとるには、体のリズムと自分に合った方法を身につけることが大切です。
まず、人によって良質の睡眠時間が違うため「何時間眠らないといけない」という思いこみを捨てることです。
自分にとって最適な長さを知ることが先決です。
疲れがとれて調子がいいと感じられるのは何時間眠った翌日か、
意識してチェックしてみるとわかります。
自分に必要な睡眠時間が分かったら、就寝と起床の時間を決めます。
体のリズムを考えると午後十一時ごろが入眠に適した時間です。体温が急降下する時間帯だからです。
人間の体温は、午後三時から五時にかけてもっとも高くなり、
それから下がりはじめて、午前三時から五時のあいだにもっとも低くなります。これを二十四時間周期で繰り返すわけです。
8、楽しそうに生きてる習慣術とは
感情豊かで、いろいろなものに関心をもつ人ほど、不安になり、心が乱され、悩むような場に直面します。
そのような状況にあっても、健康を保ち、楽しく過ごしていくには、
★その感情をいったん自覚して、できるだけ早くそこから脱するように心がけることです。
もし、今の自分を変えて楽しく生きる人になりたいならば、
まずその気持ちを強くもち、楽しげな自分の顔をイメージしてください。
自分の行動を束縛している他人の言葉などを頭の中から取り除いて、
真似をしてみたり、試行錯誤の積み重ねであったり、だれかに背中を強く押してもらうのも変わるきっかけになります。
変わりたいという思いが強ければ、それはかなわず表に現れてきます。
「自分にはなりたい自分に変われる力がある」と信じることです。
三日坊主の繰り返しでも、それをつづけていけば、
きっと周囲の人から「楽しそうに生きてる人」と思われるでしょう。
- 感想投稿日 : 2015年12月28日
- 読了日 : 2015年9月27日
- 本棚登録日 : 2015年9月27日
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