イラク 戦争と占領 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2004年1月20日発売)
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感想 : 17

電力不足やそれに伴うインフラの不備に加えて、イラク人の生活にとって大きな障害となっているのは、通信網の破壊だろう。戦争で各地の電話通信センターが破壊されたが、半年経っても一部しか回復していない。わずかに同じ局番を共有する一定のエリア内で、地上電話回線が通じる程度。当然業務上の通信連絡にも支障をきたすことになるので、占領軍は7月以降、勤務復帰した公務員に携帯電話を配布することにした。
実際、フランスとロシアにとって最も大きな懸念材料は、もしアメリカがイラクのフセイン政権を妥当して新たな政権を樹立した場合、自国がフセイン政権と取り交わした利権契約はどうなるのか、フセイン政権時代に積み上げられた膨大な借金を返してもらえるのか、ということだった。
戦争が順調に進まなかった最大の理由はイラク国内で反政府暴動や投降が起きなかったことにある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中近東
感想投稿日 : 2010年12月28日
読了日 : 2010年12月28日
本棚登録日 : 2010年12月28日

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