歴史の教訓: アメリカ外交はどう作られたか (岩波現代文庫 学術 120)

  • 岩波書店 (2004年4月16日発売)
3.58
  • (2)
  • (11)
  • (10)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 132
感想 : 13

朝鮮戦争時、アメリカは朝鮮半島よりも台湾の方がはるかに注目されていた。台湾は蒋介石が逃亡してきており、勝った共産主義者が攻撃してくると予想されていた。

ベトナムからアメリカが撤退したら東南アジアと南アジアの自由世界にアメリカが完全に失うことになると考えていた。

官僚機構が独自に政策を決定すればするほど、世論はますます政策決定から疎んぜられるようになる。議会と大統領が弱体なときには、世論自体も弱体となる。

政府高官の中でも過去の経験に基づいた推論をこれまでより批判的・体系的に行われなくてはいけないと考えているものは、専門歴史家の業績を最高度に活用できる方法を検討している歴史学者たちの支援をもっと多く求めなければならない。

キッシンジャーは政治学者だったが、過去にビスマルクとメッテルニヒの歴史研究をしたことがあり、その知識と経験があったからこそニクソン政権の事実上の国務長官としての重責を果たすことができた。

歴史家の任務の1つは対外事件に関する長期的展望を提示することにある。
一連の外交行動の中から歴史の教訓を誤用して脅威を作り、介入と戦争を繰り返した歴史を見ることができる。

東欧と東アジアの2つの冷戦の違いを付きっていたのは、ソ連の力の射程の違いと市民社会の萌芽が両者の異質さを紡いでいた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国際関係
感想投稿日 : 2012年1月17日
読了日 : 2012年1月17日
本棚登録日 : 2012年1月17日

みんなの感想をみる

ツイートする