グローバル化理論の視座 プロブレマティーク&パースペクティブ

  • 法律文化社 (2007年9月20日発売)
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全体性のパースペクティブとは社会を総体として研究しようとするものであって、経済・文化・理念の形状を相互の連関と全体の脈絡において位置づけようとするものである。その際、分析の単位となるのは社会全体であって、市場と経済や政治を個別の検討対象とすることではない。

グローバル化と結びついて経済変化が起こっているが、その多くは生産諸力と生産諸関係の国際化の進化であると理解しうる。だが、多国籍企業、グローバルな商品連鎖、国際統合型生産ネットワーク、国際金融と資本市場、コミュニケーションと情報技術の急速な展開、こうした世界において、生産の諸力と諸関係で現代の経済活動に支配的な社会諸制度を分析すると不十分なものとなる。

情報が新しく世界的規模で配信されるなかで、商品とサービスのグローバルな市場が形成されていくこと。

暴力のグローバル化の中で、安全保障、国家、グローバルガバナンスをめぐるオーソドックスな仮説の最高が迫られていることを明らかにする。

コミュニケーション・フローの観点からみても、経済のグローバル化には、多くの論者が予測し、あるいは期待するよりも回復の早いものがあることは経験的にも明らかである。

冷戦が崩壊するなかで、ミレナリアニズムも登場している。

産業化が新しい戦争様式を呼んだように、コミュニケーション革命は軍事状況の革命と結びついた。西側の戦略的思考は20世紀の全体的・限定的戦争の概念から第4世代へと、つまりネットワーク型戦争へと移り、機動性、スピード、精確性、柔軟性、破壊力が重視されるようになった。
国民国家間のリージョン内において、資本家間の協力な対立が存在していることを想定すると、グローバル帝国のテーゼはこの状況にそぐわないことになる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国際関係
感想投稿日 : 2011年4月30日
読了日 : 2011年4月30日
本棚登録日 : 2011年4月30日

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