反ユダヤ主義―― ユダヤ論集1 (ユダヤ論集 1)

制作 : J.コーン  R.フェルドマン 
  • みすず書房 (2013年9月21日発売)
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感想 : 7

ユダヤ人学校はユダヤ人全体にとって、次の世代に影響を与えるのに活用できる最も需要な手段となるだろう。長い目で見れば、今日、これ以上にユダヤ人の存在そのものに大きく関わる問題、その解決に実に多くのことがかかっている問題はない。これの解決が統一的に行われ、個々の学校間の差が小さく抑えられ、全てのこともが速やかに受け入れられうようになればなるほど、大きな成果が得られるだろう。育ちつつある世代は、同化の歴史と反ユダヤ主義の歴史を、同化にいたるまでのユダヤ人の歴史と同様に知らなくてはいけない。そうしてこそはじめて、彼らは本当に理性的なやり方で、周囲の世界と自分自身を判断できる基礎を得られる。そうしてこそはじめて、自己意識の芯となるものを得ることができる。たんなる道徳的な要請だけでは、自己意識は常に空疎なままにならざるをえない。ユダヤ人学校は人種的純粋以西の原則に固執すべきではないだろう。最初原則的に、半ユダヤ人や4分の1ユダヤ人も、つまり政治状況によってユダヤ人学校へ来ざるをえない者すべてを、受け入れなくてはならないとアーレントは主張していた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ユダヤ
感想投稿日 : 2016年11月20日
読了日 : 2016年11月20日
本棚登録日 : 2016年11月20日

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