通州事件 日中戦争泥沼化への道 (星海社新書 102)

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  • 星海社 (2016年12月22日発売)
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感想 : 4

 盧溝橋事件直後、日本の傀儡である冀東政権下の保安隊が突如起こした反乱。200人以上の、朝鮮人を含む日本人居留民が殺害される。本書はこの通州事件について、特定の主張をするというより実証的に考察したもの。
 そもそも支那駐屯軍がいた経緯から事件の経過まで、丁寧に記述している。日本居留民を救った中国人住民がいたことも留意すべきだろう。反乱の原因については、関東軍の保安隊への誤爆がよく言われるも、その偶発的な要因だけで事件が起きたのかは著者は懐疑的だ。原因はどれとも断定はしないが、元々あった抗日意識に軍統又は共産党の謀略工作が影響したと考えるのが自然、としている。
 また事件後、最初の数日はさておき、その後は日本の主要3紙は横並びで事件の残虐性を強調するようになる。著者はその背景に、陸軍省新聞班と外務省情報部それぞれの反中プロパガンダを指摘している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国
感想投稿日 : 2020年11月8日
読了日 : 2020年11月8日
本棚登録日 : 2020年11月8日

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