戦争の記憶 コロンビア大学特別講義 学生との対話 (講談社現代新書)

3.86
  • (9)
  • (10)
  • (7)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 141
レビュー : 16
satsukiさん 東アジア全体   読み終わった 

 学生との対話録なので読みやすい。学生たちの自己紹介や言葉から出身国などのバックグラウンドがある程度推察でき、それに見合った発言もある一方で、どの学生も極端に片寄った意見ではない。コロンビアという名門大学で、しかもそもそもアジアに関心のある学生だからか。
 教授はまず、歴史家が歴史書に書き学者と一部の読者にしか読まれない「歴史」と、多くの人に伝達される「記憶」を分ける(実際には両者は相互に関係しており、また歴史も特定の史観に基づいて書かれていることは教授も認めているが)。WWIIの開戦日の認識が国により異なるのはいい例だ。そして「共通の記憶」は作られ伝達され、また時や国内・国際政治の中で変化していくという。
 取り上げられている事例は1章を使った慰安婦のほかにも、真珠湾攻撃や9.11など多い。教授自身の歴史観も、また学生に対する説明や司会の仕方も含め、実にバランスが取れた本になっている。様々な視点を持つ、他者の視点を理解、自国の歴史も他国の歴史も尊重、過去と未来に対する個人の責任、これらの言葉で講義は締め括られている。

レビュー投稿日
2019年8月17日
読了日
2019年8月17日
本棚登録日
2019年8月17日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『戦争の記憶 コロンビア大学特別講義 学生...』のレビューをもっとみる

『戦争の記憶 コロンビア大学特別講義 学生との対話 (講談社現代新書)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする