チャイニーズ・タイプライター-漢字と技術の近代史 (単行本)

  • 中央公論新社 (2021年5月19日発売)
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感想 : 10

 中国語にはアルファベットがない、との内容から始まる。ピンイン入力に慣れてしまっていたが、あれはPRCで作られたもので、しかも中国語自体のアルファベットではないのだ。
 中国語タイプライターが本格的に実用化されたのは1910年代末。最も普及したのは頻出漢字を一覧から拾う、日本語タイプライターと同じタイプだ。それ故にか、日本の大陸進出の中で「同文同種」の日本製品が広まる。戦後は、社会主義の文章を入力しやすいように文字が配列される。
 タイプライターの歴史ではあるが、西洋世界から中国語への初期の視線(非近代的、やや侮蔑的な)、日中の歴史など付随する事項も分かった。と同時に、現代でもCJKの漢字コードはまとめて扱われることを思い出した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国
感想投稿日 : 2021年7月28日
読了日 : 2021年7月28日
本棚登録日 : 2021年7月28日

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