日本政治史 -- 現代日本を形作るもの (有斐閣ストゥディア)

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レビュー : 4
satsukiさん 日本   読み終わった 

 学部生向けテキストらしい、幕末から55年体制までの日本政治史。プレイヤーの単位は、幕末は各藩、朝廷と幕府。明治期に入り日清戦争に至って国民意識が形成されると、藩閥と政党勢力。大正期には各政党。昭和期に政党政治が退潮すると再び非政党勢力。また、昭和期には田中義一内閣退陣や「聖断」に見られるように、天皇自身がプレイヤーになることもある。明治・大正天皇には(少なくとも本書からは)見られない役割だ。
 大きな流れとしては、明治期から昭和初期まで、政党勢力が次第に主流化していったということができる。非政党勢力であっても必ずしも政党と対立ばかりしていたわけではなく、桂園体制のように藩閥・政党勢力間の一定の妥協もあり、また軍部とて政党との協力が必要な時もあった。政党の側も、官僚出身の党員が増え政権担当能力が上がったということもあるだろう。一方で、ポピュリズムや腐敗など政党政治の負の面の記述は、本書からはあまり感じなかった。
 長い期間を扱う本だから仕方ないのだろうが、説明が不十分かと思える箇所も少なくなかった。新体制運動がそもそも何なのかの説明がないままに大政翼賛会の発足を述べるなど。

レビュー投稿日
2020年3月7日
読了日
2020年3月7日
本棚登録日
2020年3月7日
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