大人の教科書という感じ。カラー刷り、写真やコラムも豊富だが、A4版約380頁は重い。どういう読者層を想定しているのだろうか。
20世紀初頭は国際協調、特に対英米協調を基軸としていたことが分かる。辛亥革命時に独自出兵をしなかった、石井・ランシング協定、新四国借款団、シベリア出兵、そしてワシントン体制。1922〜30年の章の題名は「国際協調とその揺らぎ」だ。その後に満洲事変はあるも、1933〜37年(盧溝橋事件直前)の章の題名は「揺らぐ国際協調と日中協力」。この時期でも一定の国際協調は存在していたようだ。ならば、対中そして対英米戦争はどの時点から必然的だったのだろう。
更に言えば、1942〜45年の章の題名は「太平洋戦争と戦時外交」。大東亜会議(これは外交なのか)、日ソ外交、対中和平工作、と、太平洋戦争中でさえも「外交」はあったことになる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2019年6月1日
- 読了日 : 2019年6月1日
- 本棚登録日 : 2019年6月1日
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