少将滋幹の母 (新潮文庫)

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本棚登録 : 486
レビュー : 47
著者 :
Kさん 小説(平安時代)   読み終わった 

菅原道真を左遷した左大臣藤原時平、
藤原基経の兄である藤原国経、
在原業平と並ぶ色男として知られる平貞文などが登場する。

老大納言国経は、若く美貌の妻である北の方
(筑前守在原棟梁(在原業平の長男)の娘)を、
若くて時の権力をひと手に握っている甥の時平に、
驚くべき手法で奪われる(差し出してしまう)。
しかし国経は北の方への思いは全く断ち切れぬままこの世を去る。

また、その北の方と幾度か浅からぬ仲となっていた、
平貞文も、彼女が時平のものになったことで、
思いを燻らせている。

後半は、国経と北の方との間に生まれた藤原滋幹の、
母への思いが描かれる。

藤原時平は、今昔物語の記述から、
「富貴と権勢と美貌と若さとに恵まれた驕慢な貴公子」、
また大鏡の記述から「可笑しいことがあると直ぐ笑いだして
笑いが止まらない癖があった」と、
平貞文は「女に好かれる男の常として、なまけ者ではあるけれども、
洒脱で、のんきで、人あたりがよくて、めったに物にこだわらない彼」
と表現されている。

私は時平が国経の北の方を奪う流れや、
平貞文の恋模様などが描かれる前半部分が、
文章に引き込まれて次々とページを捲ってしまうほど面白かった。
特に国経の北の方を奪うシーンは臨場感があった。
時平の傲岸さが際立っていて憎く思う。

レビュー投稿日
2013年5月12日
読了日
2013年5月12日
本棚登録日
2013年5月12日
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