学校では教えてくれない日本史の授業 2 天皇論

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レビュー : 17
著者 :
りょうすけさん  未設定  読み終わった 

著者、井沢元彦(いざわもとひこ)氏特有の鋭い視点をもって日本の歴史を解剖するシリーズ第二弾だ(シリーズ第一弾はこちら)。今回は、天皇制についてだ。例によって歴史教科書にはおろか、学校の先生の話にも出てこないような”裏話”や”行間”を語ってくれている。

通常の歴史専門家が加味していない視点・・・すなわちたとえば、通常の学問に宗教学や言語学などを加味することが新たな発見(著者曰く、当然の発見)につながっている。たとえば、幕府と朝廷の二立併存の話。かの藤原氏も、足利氏も、織田信長も、豊臣秀吉も、徳川家康も・・・決して、天皇を抹殺してその権威を奪うようなことはしなかった。著者はその理由について、日本人の怨霊を恐れる気持ちとケガレ(血を流すこと/流した者)を忌み嫌うという宗教観から見事に説明してみせている。

点と点を結んでくれる”学校では教えてくれない”シリーズにおける本書(天皇論)の見どころは、日本史に一本の太い線をとおしてくれることにあるだろう。逆に言えば、天皇制というテーマを深く掘り下げることで、これほどまでに、はっきりと日本史の全体像が見えてくるとは思わなかった。邪馬台国、豪族、聖徳太子、武士、大名、幕府、仏教、2・26事件・・・すべてが天皇制につながっている。

著者も認めているが、この本に書かれていること全てが正しいとは限らない。だが、教科書に載っている歴史も正しいことは限らないのである。むしろ、そうでないことのほうが多いかもしれない。であるとするならば、本書の価値を”書いている内容の正確性”だけで判断するべきではなく、むしろ、”どれだけ人の興味を刺激してくれるか”あるいは”既存の歴史をどれだけ補ってくれるか”で判断するべきだろう。そのようなわけでとりわけ、(もちろん、賛否両論はあるだろうが)

・受験勉強で日本史を丸暗記しようとして苦しんでいる人
・神道や仏教のつながりに疑問を持っている人
・天皇はいったい何者なんだと思っている人
・学校で歴史を教える先生方

といった人達には極めて有益になると思う。

書評全文こちら→ http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2013/06/2_7.html

レビュー投稿日
2013年6月7日
読了日
2013年6月7日
本棚登録日
2013年6月7日
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