原題は『The Dark Side of Man』。暴力について遺伝学や霊長類の行動学などから考察したものです。R.ドーキンスやB.サイクスリの本を読んだ延長で読んでみました。
雄の暴力は、性淘汰上有利に働くため人間の男でも遺伝子にコード化されている、というもの。遺伝子的に非常に近いチンパンジーやゴリラを見ても明白だそうです。ドーキンスの『利己的な遺伝子』やサイクスリの『アダムの呪い』などでは自分の子孫(=遺伝子)を残すことにかかる雄と雌のコストバランスなどの話を通じてもっと洗練された形で言われていることを、割と思い切ってストレートに言っている感じです。最終章に解決策のようなことが書かれていますが、取ってつけたようで、ちょっと説得力がない。この分野の良書では備わっている文学性がないという印象です。
うちにも男の子と女の子がいるんですが、確かにどうしてこうも違うものかね、と思うときはありますね...
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
科学
- 感想投稿日 : 2009年12月26日
- 読了日 : 2006年12月28日
- 本棚登録日 : 2006年12月28日
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