赤軍記者グロ-スマン: 独ソ戦取材ノ-ト1941-45

制作 : リューバヴィノグラードヴァ 
  • 白水社 (2007年5月1日発売)
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本棚登録 : 60
感想 : 10
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『スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1945』や『ベルリン陥落 1945』など第2次大戦の独ソ戦を多量の資料調査を元に詳細に描き出したアントニー・ビーヴァーが、作家であり独ソ戦のソビエト従軍記者であったグロースマンの取材ノートの引用をベースに構築した伝記とも戦記とも呼べるものです。先の2冊も印象深いものでしたし、佐藤優が帯で推薦した(ロシアつながり)こともあり、手に取ることになりました。

スターリングラード攻防戦、トレブリーンカのユダヤ人収容所解放(グロースマンはユダヤ人)、ベルリン陥落といったイベントに同行した才気ある従軍記者が記録したノートや実際の新聞記事を並べることで、兵士の目線による戦場の実態を浮かび上がらせています。当時特有の背景を前提にしたノートからの大量の引用にも関わらず、思わず引き込まれるのは、グロースマンの才能なのか、ビーヴァーの腕なのか、それとも事実の持つ磁力のせいなのでしょうか。
通り一遍の(多様な)説明は理解していますが、それでもやはり何がこういうことをたかだが60年ほど前に可能にせしめたのか。何かを言うことをためらわせるものがあります。(の割りには長めのレビューですが)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2009年12月26日
読了日 : 2007年6月2日
本棚登録日 : 2007年6月2日

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