子どもの人権をまもるために (犀の教室)

  • 晶文社 (2018年2月8日発売)
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感想 : 12
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子どもを巡る、保育、養護、療育、貧困対策、性の多様性、居場所作りなどについて各テーマごとにコンパクトにまとめられており、第一線で活躍しマスコミにもよく登場する筆者たちが現場発の生の声で語っている。

今保育士の受験勉強の途中で、児童養護や福祉について学んでいるので、乳児院や養護施設、里親、虐待からの保護などいろいろディープな環境にある子どもたちの事情に興味があって読んでみた。

正直読んでいて辛くなる。
一般人に縁がありそうなのは保育園の待機児童問題くらいで、その他は不幸にして家庭や親に恵まれなかった子たち、または、生まれつきの障害や性的マイノリティーなどの苦労を負った子たちだ。

しかしその子たちに罪はないわけで、より傷つかず幸せな人生が送れるよう周りの大人や社会が配慮してあげる他ない。

家庭というスタッフ差し替え不可能な閉鎖環境での子育てではなく、スペシャリストの介入を受け入れながら幅広い人たちに見まもられる成長が、普通の子にも苦境にある子にも与えられるとよい。

江戸や明治の頃のように養子や里子が一般的だったり、住み込みのねえやや下働きなど家族と従業員の中間みたいな人がいた方が豊かだった気がする。
夫婦を超えていく逃げ恥ではないが、もっと気楽に血縁を超えていけないものか。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年8月22日
読了日 : 2019年8月22日
本棚登録日 : 2019年8月22日

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