本を守ろうとする猫の話

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本棚登録 : 1399
レビュー : 188
著者 :
十六夜さん  未設定  読み終わった 

喋るトラネコ、店の奥にあるはずの無い通路、そこを抜けた先に広がる奇妙な世界。どこかにありそうな話ではある。しかし、物語の中では、現代の本離れ、本を取り巻く現状をどこかユーモラスに、かつ丁寧に描かれている。林太郎は3人と対話し、本を救い出すことに成功する。ここで終わりではなくて、その後を書いているところがよかった。各々やり方を変え、地位を失ってしまった3人。
思いだけではどうにもならない。“世界で一番読まれた本”は、林太郎にそう告げる。それでも林太郎は言う。本は、人を思いやる心を教えてくれるものではないかと。
よく言った少年、と一人目は言う。自信を持ちなさい、と二人目がいう。三人目は、思いだけでは変わらないと意見され、こう返す。「それでも、やってみようとは思わないかね?」
私たちが今も本を読めるのは、こんな人たちがいるからなのだ。現実にいるたくさんの人たちが、こんなに大変な世の中でも、それでもやってみようと思いを繋いで、ここまで本を届けてくれている。私はちっぽけな一読者に過ぎないけれど、本を大事に読む人間でありたいと改めて思った。

レビュー投稿日
2017年9月8日
読了日
2017年9月8日
本棚登録日
2017年5月14日
3
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