日本地震学第一人者の1人である著者が、南海トラフ地震について、詳細に解説する一冊。
第一章・第二章は、まだ記憶に新しい東日本大震災を地震学的に解説し、それと南海トラフ地震がどう違うかを説明することで、南海トラフ地震についての理解を深める。
第三章・第四章は、過去の南海トラフ地震をはじめとする過去の災害と、近年の地震学・防災学の知見から、次の南海トラフ地震ではなにが起こるのか、またそれに向けて何ができるのか、を語る。
扱う分野は地震学・地球物理学・火山学・防災学と多岐にわたり、内容を100%理解するのは難しい。しかし、分野が多岐にわたるが故に、どこかで個々人の興味と関わる部分が出てくる本でもある。
南海トラフ地震は、その被災域で生活している人が東日本大震災のそれより多い分、日本全体へ与える影響は大きいと予想される。それを踏まえた対策が必要で、そのための予備知識であったり、興味であったりを得るための一冊として、この本はアリかな、と。
西日本・東日本問わず、より多くの人に読んでいただきたい一冊。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
地学>地震一般
- 感想投稿日 : 2017年2月11日
- 読了日 : 2017年2月11日
- 本棚登録日 : 2017年2月11日
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