徳川光圀の、義に生きた男の生き様を描いた作品。
非常に面白かった、いやとにかく傑作・名作。
途中までは好きなジャンルと言うのもあって「天地明察」の方が上と見ていたが、最後まで読んでその思いが吹き飛ばされてしまった。
一藩主の一生を追い続けながら、その結末はあまりに壮大。
史実と違う解釈ではあろうが、個人的にはぜひとも作者のこの描き方に一票を投じたい。
もちろん自分が心動かされた結末の部分だけでなく、「水戸黄門」でしか知らなかった一面とは別の、やんちゃで、剛毅で、懐の深い人物像は好き嫌いはあろうが引き込まれて行く。
また周りを固める出てくる他の者たち、好きな者にせよ嫌いな者にせよ、「天地明察」同様素晴らしいキャラクターの者たちばかりで、新たな人物が出て来る度にワクワクさせられる。
「天地明察」「光圀伝」両作品に共通するテーマは、時代を越えて受け継がれていくものの重さなのだろうと思う。
この作家の作品は前作と今作の歴史物2作しか読んでいないが、ぜひとも次も歴史物を描いて頂きたい所だ。
久しぶりに歴史の面白さに気づかされた作品だった。
「天地明察」は映画化されたが、ぜひとも『光圀伝』は大河でやってもらえないものかと思わずにはいられない。
最後に自分も一言申し上げたい、「大義なり、紋太夫」
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年12月20日
- 読了日 : 2012年12月20日
- 本棚登録日 : 2012年12月20日
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