日本の色の十二カ月 古代色の歴史とよしおか工房の仕事

著者 :
  • 紫紅社 (2014年6月1日発売)
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感想 : 3
4

じ染色に携わる人でも、志村ふくみさんとはずいぶん違う本だなあ。
歴史について色々書かれているのもおもしろいなあ。
と思いながらあとがきまで読んで、歴史もあわせて紹介するという趣旨で書かれたものと知った。

当然と思っていることを、あらためて知らせてくれる体験が好き。
この本で、鳥居があんなに赤いのは何をもってして昔は塗っていたんだろう。植物染料か動物染料しかないのに! と思ったり。
戦国時代の鎧の紐やら下げ緒やらが、茜草を使って染めた往時の色は今も赤く残っているのに、糸を継いだ化学染料部分は百年もせずに褪色しているのを見て、驚いたり。

p124ほか要約
日本で紫を尊ぶのは、中国から来たらしい。
中国では、『礼記』にて「周人は赤を尊ぶ」と書かれていたほど、赤が上位の色だった。五行の色で、赤もしくは黄が太陽の色だからだ。しかし、しだいに紫が上位になった。孔子は「紫の朱をうばうを悪む」と嘆いたそうだ。

漢の時代から、皇帝の住まいを紫宮、あるいは紫宸殿、紫禁城とあらわすようになったことにもあらわれる

紫宸殿とか紫禁城って、それで紫だったのか!

歴史の話と思って読むのも楽しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 職人の話
感想投稿日 : 2015年2月22日
読了日 : 2015年2月22日
本棚登録日 : 2015年2月22日

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