この著作のベースになっているのは政治学研究の博士論文とのことだが、そんな堅苦しさはほとんど感じることなく最後まで通読することができた。今後が楽しみな書き手である。
トクヴィルというフランス政治史上の人物の生き方と思想を手がかりにしつつ、時代を生きる人間がその拠りどころとすべき「聖なる権威」の喪失に立ち会ったとき、どのように自らの「存在理由」を求めていったかということが、まるで「時代」という大きな時間の流れと、その中で自らの思想を確立していこうとする人間の「もがき」の物語のようにも読めた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
政治学
- 感想投稿日 : 2018年8月29日
- 読了日 : 2018年8月29日
- 本棚登録日 : 2018年8月29日
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