文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

  • 草思社 (2012年12月4日発売)
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・成功・存続した社会
・アフリカの人口爆発
・ドミニカ共和国とハイチ
・中国
・搾取されるオーストラリア

文明社会はその絶頂期に人口を大幅に増やし、周辺環境を破壊して滅亡に至るのか。
環境が許容できる以上の人口を持ってしまった社会の結末は。
環境問題解決の2つの道;トップダウンとボトムアップ
中規模な社会はなぜ滅亡に至ったか。大規模な中央集権体制が鍵か?
イースター島やマンガイア島などの中規模の社会は、島全体を治める中央主権的な政治組織を持てず、分裂した集落が互いの争いで環境破壊を促進した。

景色健忘症:徐々に進む環境変化に要注意。
変化は突然訪れない。はい進む常態なのだ。イースター島の樹木は徐々に少なくなり、重要性を失って行った。最後の一本が切り倒された時、木は、とうの昔に経済的な意義を失っていたのだ。

当然ながら、それぞれの環境にはその環境が許容できる人口がある。環境が回復に必要な時間以上に消費が早いのであれば 、その文明は崩壊する運命にあると言える。

翻って、現代社会はどうか。
持続可能な社会保障な統一的な機構を現代社会は持っているのだろうか。それぞれの国家が互いの争いで環境破壊を促進してはいないだろうか。

ルワンダの事例は、環境問題と社会的な構造が破滅的な結果を招いた事例だ。世界はこの方向に進んでしまわないか?

ドミニカ共和国とハイチの例も、同じ環境でも社会が異なることで結果が大きく異なることを示している。

中国はその巨大さから、その将来が人類の将来に大きな影響を及ぼす。そして中国は振り子というべき歴史的な特徴を備えている。
中国はその統一された政治体制から、国民とその環境を大きく変更させることが可能なのだ。

オーストラリアは絶望的なほど脆弱な環境状況で、今後改善する可能性はあるのかな?
破壊される環境と環境を懸念する民間と政府の対抗措置の2頭だての競馬は果たしてどちらが勝つのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2013年7月2日
読了日 : 2013年7月2日
本棚登録日 : 2013年7月2日

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