世界の歴史〈21〉アメリカとフランスの革命 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2008年4月25日発売)
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アメリカの独立までとその後の苦闘、またアメリカの独立がフランスの革命に与えた影響など相関関係。

(北)アメリカ大陸は初期、環境と先住民とのせめぎ合いが続いた。食糧は先住民からトウモロコシの栽培を教わってしのいだ。また、ゲリラ的な先住民の攻撃に備えてミニットマンという部隊が発達するなど[p33]、フィリップ王戦争の集結まで過酷な戦いが続いた(決して欧州側が有利であったわけではない)。このミニットマンやゲリラ戦法は英国軍との戦いで生かされることになるだろう[p128]。

その後、英国本国が「有効なる怠慢」政策をとるなど重商主義的な規制があまり厳格でなかったこともあり[p42]経済的に非従属的に発展し得た。これにより、エリート層が植民地総督に依存する必要がなくなり(脱/非パトロネージ[p75])、次第に本国との関係は契約的なものになっていった。

このような北アメリカ植民地の発展は、民衆の力も強め、しばしば反乱がおき、植民地政府が取り締まりきれないことも多かった。「民衆が一つの政治勢力として台頭」[p100]してきたのである。独立は結果であって、当初から目的であったわけではなく[p98]、このような抗議運動のダイナミズムの結果であった。

独立までの戦いと同じかそれ以上に、独立後も過酷であった。諸州がどのようにまとまるか、それぞれの利害の対立や財政の問題を乗り越えなければ諸外国からの干渉を許すことになるだろう[イギリスの思惑[p157]、各州の単独で実施した関税での軋轢[p168]など]。戦後の財政危機、それにともなう反乱(シェイズの反乱[p162]など)を経て、ようやく合衆国憲法が批准[p183]。しかし僅差だったために定着するか不安。これは現代でもアメリカの政治思想が論争を通じて生み出されることにつながってゆくだろう[p181]。

その後、リパブリカン(共和派、ジェファソン) とフェデラリスト(連邦派、ハミルトン)の対立構造[p191]や内部対立、英国との再戦など[p230]を経て、国としてまとまっていく。すんなりと「独立します」「はい、わかりました」とはいかない葛藤。

フランス革命の壮絶さ、悲惨さは圧倒的で、教科書でも比較的多くのページを費やされることが納得できる。それ以前には王政に従属していた人々が手探りで政府を運営していくための犠牲だとしても、権力の中央の人々がこれほど死ぬというのは異様[p378]。最後には革命家と呼べるようなひとびとはみんな処刑されて[テルミドールの反動、以後p397]、軍部の力が増した。そのなかでナポレオンが頭角をあらわし、総裁政府を倒し[p420]、独裁体制を築いた。

また、このフランス革命の衝撃はアメリカの民主化をより促進させもした[p205]。まさに18世紀の末から19世紀の初頭にかけてのこの時代は「革命の波に洗われ」たのである[p240]。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史
感想投稿日 : 2013年4月8日
読了日 : 2013年4月3日
本棚登録日 : 2013年4月3日

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