正岡子規 言葉と生きる (岩波新書)

  • 岩波書店 (2010年12月17日発売)
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正岡子規といえば、まず「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」が出てくる。  しかし、実際、子規の生前にはこの句はほとんど注目されなかったよう。
万葉集を賞賛し、古今集(紀貫之)を批判し、芭蕉を崇める宗匠を批判し(「古池や…」などありきたりな句は批判、そうでない注目すべきところは評価している)、埋もれていた与謝蕪村を掘り出している。

夏目漱石との密な関係や、夏目漱石にだからできたかもしれないハチャメチャな人間模様は面白い。
また、晩年、病気で塞ぎこんでてはダメで、それすら笑い飛ばすかのように面白いと思えたり、草木こそは我が命と思えるような心境の変化も、文章を追っていくとよくわかって面白いなぁと思った。
どんな人の心もやはり状況が変わると変わっていくもんだなと。

ちなみに、浅はかとした中江兆民が、療養で堺の、それも浜寺で晩年を過ごしてたことを初めて知って驚いた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年12月28日
読了日 : 2016年12月28日
本棚登録日 : 2016年12月28日

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