記号創発ロボティクス 知能のメカニズム入門 (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社 (2014年6月11日発売)
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感想 : 17
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ロボット研究を通して心・意識の構造を解明する話。

「ロボットに心・意識はあるのか?」という素朴な質問を研究者に投げると「心・意識ってなんですか? どういうロボットができたら心・意識を持つことになるんですか?」と投げ返される。

著者は、ユクスキュルの環世界から話を始める。私たちは主観的世界に生きている。客観的世界である環境には、感覚器で感じ、運動器で作用することで関わることができる。感覚器で感じる知覚世界と運動器で作用する作用世界から環世界はなる。主体の認知は環世界のなかにある。心は主体の認知の世界だ。他人に心があるかどうかは分かりようがない。認知は自分の中で閉じているのである。私たちには赤外線は見えないし、雲を手てつかむことはできない。これが人間の世界だ。私たち赤ん坊として何も分からないところから出発し、自分自身で認知を作り上げていくことができる。

この「認知的な閉じ」からロボットを使った実験の話が続く。視覚、聴覚、触覚を備えたロボットにより物体概念を得る話を読んでスッキリした。
人間と同じような分類をロボットにさせることができた。ロボットが見た世界を記号論的に扱うことで可能となった。「ロボットは自らの経験をもとに概念を獲得することは可能となった」と言う。

文から単語を得るためには形態素解析が必要になる。ロボットに文の形態素解析をさせるとどうなるのか。スペースを全てとった英文をもとに、単語の区切を推測させるのである。語彙をロボットに獲得させる基礎はできた。機械学習のためには、二重文節構造の話を理解することが必要になる。このあたりでやめておくことにしよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2014年6月12日
読了日 : 2014年6月12日
本棚登録日 : 2014年6月12日

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