Running Pictures: 伊藤計劃映画時評集1 (ハヤカワ文庫 JA イ 7-4)
- 早川書房 (2013年1月25日発売)
本棚登録 : 490人
感想 : 39件
伊藤計劃氏の映画批評。エッセイに近いラフな調子でぐいぐいと進んでいく。口調は軽快ですが、映画への思い入れや知識、監督や役者の個性やカラーまでを熟知して書かれる批評は絶品。一般的には駄作と評されるような作品についてもだめな部分は明確にしつつ、それでも愛すべき箇所を伊藤氏しか書けないだろう視点で書いているところには、映画という文化、媒体そのものへの愛を感じました。
そのかわり、世間では名作と呼ばれているようないくつかの作品は容赦なく喝破されていましたが…笑
ほんとうに早逝が惜しまれる人、というのは伊藤さんのような人なのだと思う。生きていたとしたら今の世界、映画をどう観てどう論じたのだろうか、そんなことばかりが頭をよぎりました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
評論・批評
- 感想投稿日 : 2019年5月20日
- 読了日 : 2019年5月20日
- 本棚登録日 : 2019年5月20日
みんなの感想をみる