グラフィックの未来を変えた実験的・前衛的なデザインを一気に半世紀分を時代別に編集した本。
つまり自分が影響されている広告やデザインのルーツを見るということです。たぶん。
今の社会のデザインの現状や自分の中に宿るデザインの意識は先駆者に開拓された、1つの可能性の上に成り立っている。
例えば18Cに起こった産業革命によって、大量生産大量消費の世界に突入し「規格」という概念がデザインする上で基本(時に前提)として大きく横たわる。紙のサイズ規格に則ってデザインするのがそれまではスマートな方法。でもそれが最高の方法ではない。地球環境の問題や広告媒体のネット化だとか。それまでの土台では無理が生じる。
時代は変わり続けていて、今までの実験に裏づけられ生まれた作品から何を学び、どんな可能性を追求されるかを、問われていている。
世界が宇宙のように無限に広がる可能性を持っているのであれば、まだまだ研究の余地がある。余地どころか大海原だと思う。
大航海時代の探検家のように、既存の航路ではなく、強い好奇心をもって未開の海域に繰り出すことこそがデザイナーの目指す場所ではないだろうか!!!!!
優れたデザインは、未来や世界に対して深く強い願いが、デザインの頭からつま先まで貫かれている。グラフィックをデザインすることは小手先に過ぎない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
デザイナー・デザイン
- 感想投稿日 : 2010年7月31日
- 読了日 : 2010年7月31日
- 本棚登録日 : 2010年7月29日
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