風味絶佳 (文春文庫)

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本棚登録 : 2790
レビュー : 307
著者 :
shikoppiさん 小説   読み終わった 

すごいな、なんだ、山田詠美。
こんなところまで来ていたなんてびっくりだ。
美しいというと少し違うかもしれない。私の中での美しいは江國香織だから。こんなに生々しい、つまりみっともなく、愛おしい、そういうものを書き上げることができるなんて。
『ご飯ものを上手に書く描写には強く惹かれるなあ』読み始めはそんな感じ。でも、気がつかない間に人物が立ってきて、心にとどまる。山田詠美の文章は、主人公の気持ちがストレートに表現されるので読み易い。その実、完璧に主人公の目線で書かれているので、他の登場人物については、主人公との関わり合いで読むしかない。相手が何を考えているかは主人公が聞いた、見た、彼らの言葉と動きでしかわからない。故にとてもリアルな描写になる。読み手が目を見開けば、主人公と自分の境目がわからなくなるくらいに。
Twitterで詠美ファン勧められて、短編だとも知らずに読み始めた。私は例え名手と言われる山田詠美でも、やっぱり長編が好きだ。書き下ろしだろうが、なるほど名手とはこういうことなんだとやられた感に腹立たしくさえ思った。

レビュー投稿日
2012年5月15日
読了日
2012年5月15日
本棚登録日
2012年5月15日
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