二百年の子供

著者 :
  • 中央公論新社 (2003年11月26日発売)
3.28
  • (8)
  • (9)
  • (37)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 190
感想 : 21
4

先日「七夜物語(川上弘美)」を読んだから比べてしまったというのもありつつかなりよかった。
詰まるところ、わたしたちに大切にできるのは現在のこの手の中だけであるということが力強くしっかりとしたためてあり、過去・現在・未来をつなぐ人という存在への希望/失望、豊かさ/貧しさを「信じる」という意思にあふれている。その意思の強さが、老いるに従って得られるものなのでしょうか。現在を生ききった成果なのでしょうか。
3人組は、「静かな生活」の3人として再生されてしまうのがわたしの残念なところでありつつ、とても読み進めやすかったところでもある。「静かな生活」と筆致も似ているから必然といえば必然なのだけど、、(オマージュ)ちなみに、伊丹十三「お葬式」の森と何かかぶる、「芽むしり仔撃ち」と何かかぶる、と混乱する部分もあり、それはまあ「静かな生活」と同じく必然といえば必然。物語本編とは関係なく、わたしのこころのなかの四国というものができつつあるなあと気づかされる。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ほん
感想投稿日 : 2014年10月22日
本棚登録日 : 2014年10月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする