本棚には持ち主の人柄を表す力がある。圧倒的な量であることがまず前提とされるが、そこにはその人への知性への期待というプレッシャーが含まれている。雑多な知識が散りばめられた本棚にはすべからくその人を意訳できる偏りがある。音楽の趣味と似ているがもっと深くコクのある中央値がそこにある。まあまあの知性を持つものはよく語ってくれる。深く幅広く教養を持つものは少ない言葉でも人を唸らせる。人間ビブリオ的なものは好みのテーマについては堰を切ったように語ってくれる。本棚は人を語る。