10世紀末~11世紀のヨーロッパ。
イギリス人の少年ジェスティンは、ヴァイキングの襲撃により奴隷となる。ヴァイキングのトーモッドに買われた彼は、トーモッドとの間に友情を培い、義兄弟となる。やがてトーモッドの「血の復讐」に巻き込まれ、宿敵を追う旅に出る。ジェスティンたちはキエフからコンスタンティノープル(ミクラガルド)に向かい、東ローマ皇帝バシレイオス2世のヴァリャーギ親衛隊の一員となる。ブルガリア人との戦争、そして宿敵との対決の行方……
再読。
大変サトクリフらしい作品。歴史的な背景を踏まえたうえで重厚なドラマが描かれています。舞台設定は現代日本ではあまり馴染みのないものであるかもしれません。中世のイングランド~北欧~キエフ~ビザンツを結びつける小説は、ちょっと珍しいように思います。
原題は「Blood Feud」。約すと「血の誓い」となりますが、この原題の意味は非常に重要であるように感じました。
イギリス~コンスタンティノープルと、この時期のヨーロッパ史の広がりを感じさせる舞台設定がなされているところも興味深いところ。
ジェスティンのたどった道のりは、物理的な距離としても、精神的な意味においても、いろいろと感じるところの多いものでした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史小説・時代小説
- 感想投稿日 : 2016年9月14日
- 読了日 : 2016年9月14日
- 本棚登録日 : 2016年9月14日
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