日本が壊れる前に 「貧困」の現場から見えるネオリベの構造

  • 亜紀書房 (2020年11月18日発売)
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高齢者介護への、特に中村氏の表現ぶりが、到底受け入れがたかった。このほか、「本来性風俗をやるべきでない人たち」という複数回現れる表現に時々垣間見える、性風俗などに対する差別的思考には残念。
昭和の日本は福祉国家だった、ネオリベ入ってきて変わったというけれど、構造化が単純すぎないか。昭和の日本は、「一般的」と国家がみなした国民(サラリーマン・専業主婦・子で構成される”フツー”の核家族)には手厚かったかもしれないけど、例えば障害をもった人などへの福祉は、全くだった。
低所得者層がなぜ”ネオリベ”を支持するのか、という点は、キャラクターみて「わー!」って投票する、という感覚的な捉え方がされていたが、その点の分析は以前読んだ「貧困・育児・介護の政治」にあった。

他方、国の予算配分が貧困を生み出す原因になる、とか、分断を作り出して批判を免れる、といった構造は、そのとおりだと思う。最近読んだほかの人たちの本でも指摘されていた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年6月5日
読了日 : 2021年6月4日
本棚登録日 : 2021年6月4日

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