きみはポラリス (新潮文庫)

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本棚登録 : 15052
レビュー : 1350
著者 :
shinyataguchiさん 小説   読み終わった 

穏やかな幕開けながらも最後にはがらりと雰囲気を変え、突然断ち切られるように終わるショート・トラック「永遠に完成しない~」に始まり、力強い声で高らかに歌う「裏切らないこと」、ミステリアスな曲調で先を急かす「私たちがしたこと」と続き、重苦しくも荘厳な主題を持つ「夜にあふれるもの」、ノスタルジックなバラード「骨片」につながっていく。別々の物語ではあるが全体の構成としてはしっかりと緩急がつけられており、通読すると、まるで1枚のCDアルバムを聴いているかのような感覚がある。
その後もスリリングで危うい雰囲気の「ペーパークラフト」をはさみ、王道ポップス路線の3曲「森を歩く」「優雅な生活」「春太の毎日」で和んだところへ、表題曲であろう「冬の一等星」の、センチメンタルなイントロが流れてくる。そして、1曲目と同じメロディを含む「永遠に続く手紙の最初の一文」で、まさに永遠に続く時間を思わせながら全ての曲の終わりを迎える。
まるで三浦しをんのラブソング・ベストアルバムとでもいうべき、異なった魅力を持つ12編が収録された、内容の濃い、お得な一冊。

レビュー投稿日
2012年9月12日
読了日
2012年9月12日
本棚登録日
2012年9月12日
8
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