月の影 影の海〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

4.05
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本棚登録 : 7930
レビュー : 1083
紫苑さん 小説   読み終わった 

10何年前に日本に住んでた頃買った中古本。ここに登録されていないというのは、実は完読していなかったか、そもそも読んでいなかったかである。ただし台湾の旧訳翻訳版は絶対に読んでいたと覚えている。

十二国記が18年ぶりに新刊発売ということでシリーズ再読することにしたが、《魔性の子》から読むか、本作《月の影 影の海》から読むかは、ファンの間でも違ってくるようだけれど、《魔性の子》は未読なのでこちらから始めることにした。

アニメから入ったので、大体の話を知っているからか、よく言われる「しんどさ」はさほど感じられなかった。そう、この物語は、訳も分からぬまま異世界に連れられた挙句、はぐれてひとりで生き延びようとするひとりの女子高生陽子の話、だと恐らくもう皆さんはよく知っているだろう笑。
「ネズミが出るまで我慢しろ」というのもよく聞くが、ネズミはこの巻では出ない。しかし実を言うと、陽子が遭遇する様々な苦難が結構描き込まれていて、物語としてはとても魅力的だと思うのはわたしだけだろうか……ひたすら辛くて苦しくてしんどいながらも……。恐ろしい妖魔に狙われ襲われ、怪我をして嘔吐(ヒロインなのにこの1冊だけで2回も吐いたよ…)、ひどく飢餓状態にいるヒロインっている??笑。むしろページを捲りながら次に何を遭遇するのかって気になった。
だからこそ彼女の「生きて、帰るんだ」という思いが、あまりにも強く、ここまでわたしに突き刺さっていた。あんな悲惨な状況下でかえってこれまでにないほど強く念じる陽子にひたすら感動しまくってて、現実どんな辛い状況にいても、彼女のこの強い意志を思い出すと全てどうってことはないという気分にすらなる。

一応十二国記シリーズの1冊目として、世界観が既に作りこまれていて、引き込まれないほうが難しいし、文章を読んでいるうちに、本当にこの世界があるのではないかとさえ思わせてしまう。ファンタジーなんて…と思わずに、ぜひ手に取ってほしい。

レビュー投稿日
2019年10月22日
読了日
2019年9月7日
本棚登録日
2019年10月21日
2
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