私の日記によると4/16から5/16までのまるまる1か月間、この本をちまちまと読んでいた。他の本と併読することもできず、こつこつと通勤時間に読んでいた。

水俣病のルポタージュ。そう思っていた。

この地域の猫は、踊るようにふらふらと歩き、自ら海に飛び込むという。

第一章椿の海の「山中九平少年」を読み始めた。ぐっと引き込まれていた。

“彼はさっきから、おそろしく一心に、一連の「作業」をくり返していた。どうやらそれは「野球」のけいこらしくあったが、彼の動作があまりに厳粛で、声をかけることがためらわれ、わたくしはそこに突っ立ったままで、少年と呼吸をあわせていたのである。”

ここからしばらく九平少年の様子を描いていく。彼の足元は老人のそれのようにおぼつかず、ちびた下駄を履いて、よたよたと「野球」をする。それは、まるで私の目の前で起こっていることのように頭の中に映像が浮かぶ。とても描写が細かくて、それでいてとても文学的。

道子さんが声をかける。九平少年の世界の均衡が、調和が崩れる。家の方向を探す。戸の内側へ後退りするようにして急いで入っていく。
少年は目が見えなかった。

熊本県水俣市の湯堂湾付近で発生した奇病、水俣病。

私たちは、工場が有機水銀を海に排水したために起こった公害だと知って読んでいる。でも、この本の冒頭あたりでは、なんでかわかんないけど、奇病が発生しているらしいよ、というところから、次々と患者が溢れてくる。

漁師を生業としているのに、身体が動かない。よく見えない。よく聞こえない。そんなに酒を飲みすぎてるわけじゃないのに、手に取ったものを落としてしまう。なんでだろう。

患者の様子、突然襲ってきた奇病のことを漁師が、漁師の妻がとつとつと熊本弁で語る。

方言がきつくて、わからない言葉もある。現代の小説のテンポでは読めない。一文一文、その言葉のテンポで読むしかなかった。

どうしてこんなことになったんだ。迷惑をかけて生きていくしかない。生理の始末だって夫にしてもらわないといけない。元に戻してほしい。じゃなかったら死にたい。
そんな訴えが続く。

この本を読んでいた真っ最中の5/1、環境相と水俣病の患者・被害者団体との懇談会で、発言者のマイクを切るという事件が起こった。マイクを切られる前に「簡潔にまとめてください」と話を遮られた時のあの表情が忘れられない。どれだけ、水俣病患者をなめていることか。この本を読んでいたからこそ、悔しかった。でも、読んでいなかったら、一つのニュースとして見過ごしていたかもしれない。

今、読むことができてよかった。

石牟礼道子さんは詩人でもある。彼女の文章の美しさに出会えて本当によかった。

2024年5月27日

読書状況 読み終わった [2024年5月27日]

 よしもとばななさんの本にずっと支えられてきた

 2001年からホームページに毎日日記を書かれていて、それが新潮文庫の「yoshimotobanana.com」というシリーズになっている。この日記にたくさん救われたし、今の私の考え方の基礎になっていると思っている。ばななさんは私の心のアニキだ。

(HPの日記は2014年に終了。現在はnoteにメルマガを掲載されてます)

 この「幸せへのセンサー」は、幸せになるために、幸せの形はそれぞれ人によって違うんだよ、ということを言っている。

 テレビやSNSが「これが幸せです」と見せてくる誰かの幸せの形じゃなくて、自分にとっての幸せでいいんだよ、それを見つけようよ。それを見つけられるようにセンサーを研ぎ澄ませようよ。
 
“周りに合わせながらも、自分の感覚を決して手放さないこと。合わせるのは保身のためではなく、あくまで人を傷つけないため、あるいは愛のため、そうして、自分で感じる力を鍛えながら、自分と周りが乖離している状況を少しずつ減らしていく。自分で感じる力が鈍くなっていたら、何が幸せかもわからないから”

いつも、自信が持てなくて、なんとなく迷ってしまい、でも何かにならなきゃいけないって思って不安になってしまう。そんなあなたに読んでもらいたい。

2024年5月12日

読書状況 読み終わった [2024年5月12日]

重くて鈍い

エッセイと呼んでいいのかもわからない
なのに、読み始めたら止められなかった

カサブタをほじほじとめくり続ける彼女を
見つめ続けていたはずなのに
めくっていたのは
私のカサブタだったみたいに
じくじくと痛い気持ちのまま読んだ

かさぶたは、できるやいなや、めくりたくなるし
ささくれは、むいたら痛いってわかってるのにむきたくなる
読み始めて、止められなくなった理由は
この辺と同じ気がする

タイトルを読んでも
目次を読んでも
どんなエッセイなのかわからない
読み終わった今も
どんなエッセイかと言われると、わからない

下北沢のボーナストラックにある
日記専門店「日記屋月日」の初代店長であり
日記本「にき」の著者でもある蟹の親子さん

私もなんの拍子にか日記屋月日をフォローし
日記をつける三ヶ月というワークショップに参加して、日記にどっぷりと浸かった

初めて日記を本にする時に目指したのは
蟹の親子さんの「にき」だった

「浜へ行く」「水筒」と日記本を買い
今も日記をメルマガで読ませてもらってる
日記ってこういうことか
という一つのカタチであると思う

普段の日記を煮詰めて、煮詰めて、漉して結晶を取り出して、順に並べたみたいなエッセイとでも言ったら少しは近いのか

忙しなく考え続ける脳が
少しでもお休みしてくれたらいいな
まだもっとこの文章を読んでいたい
少し中毒になっているかもしれない

2024年4月6日

読書状況 読み終わった [2024年4月6日]

“ヤゴは真夜中に羽化するのだと言う。
「えさをあんまり食べなくなって、羽になる部分がふくらみ始めたら、羽化の前触れよ」”

アーケードのある商店街で育った圭ちゃんと裕太の兄弟と、みひろ。

みひろのうちは小さな文房具屋で母親はあるひ「好きな人ができました」という書置きをして出ていったが数年してケロリと戻ってきた



なぜ、男は女を求めるし
女は男を求めるんだろう

それだけじゃない、時ももちろんたくさんあるんだけど、どうしても、どうしても男の人に求めてしまうことはある

守ってあげる、とか言われたら
はあ?
って眉間に皺を寄せて半ギレがちになってしまうとは思うので、そういうことではないと思うんだけど

酔っ払って、女の子を抱きしめたことがある
なんて、細くて小さくて柔らかいんだ
それを好ましい、というよりも怖いと感じてしまった

子猫を抱きしめてるような
脆さと儚さが怖かった



この三人が互いに求め合ってしまうものは
どうしたって変わりがなくて
だから、それに気づいてしまうことが怖かったんじゃないか

夜中に羽化するヤゴを見た
みひろは世界を変える
やっぱりここじゃないことに気がつく



周りがなんと言おうと
自分の欲しいものに気がつけるように
いらないものを手放せるように
軽やかでありたい

2024年2月24日

読書状況 読み終わった [2024年2月24日]

写真が好きだ
写真を撮るのも見るのも好きだ
父も写真が好きだと思う
私は一人娘なので、小さいころの写真はアイドル並みにある

デジタルカメラを手に入れてからは
じゃんじゃん撮っていいんだ、と思うけど
キレイな景色を私よりもキレイに撮った人の写真があるし
私にしか撮れない写真ってなんだろう?と考えて
その場にいて、私が見ているこの瞬間にしか見られない
人の表情なのかな、と思ったけど
人を撮るのは、とても戸惑う

毎日、お弁当の写真を撮影している
カメラで撮ったり、iPhoneで撮ったりしている
だんだんと、自分の好みわかってきた、と思う

でもやっぱり
「わあ!」とか「おお!」とか気持ちが動いた瞬間が
撮り時なんだと思う
そんな時にすぐに撮れるのが、普段持ち歩いているスマホになる
でも、でもこの本を読んでみて
スマホじゃなくてカメラで撮りたいと思った

本を読んでいる途中に
「幡野広志さんの撮れるようになる写真のワークショップ」に参加した
Zoomでの参加だったけど、幡野さんの言葉で聞く写真の話は
ものすごく納得のいく話だった

写真を撮るカメラの技術、とかだけじゃなくて
気持ちのこと、表現のこと、光のこと、写真以外のこと

この本を読んで、色々とあれこれやりたくなった
もちろん、写真を撮ることはたくさんやりたい
幡野さんに教わったやり方でやってみようと思う

2024年2月23日

読書状況 読み終わった [2024年2月23日]

全身が麻痺しているけど、口だけは達者な妻を介護する
不倫相手の子を妊娠する
障害があることを隠し、ネットで出会った彼女に恋をする

それぞれの短編の話が、徐々に繋がっていく気配をみせていく
繋がっているのは、障害を持った人たち
頸椎損傷による全身麻痺、脳梗塞、脳性麻痺

気にはなっているけど、見ようとしなければ
目に入らないキーワードも出てくる
排除アート、必要な人がエレベーター使えない問題
形だけのバリアフリー、出生前診断

多様性が認めあえる社会
にはほど遠く、同じ型枠からできたものしか認められない
少しでも型と違うと、やんわりと排除される

生産性がないものは、生きている資格が無い、とまで
意見として出てきてしまう社会とは?
豊かな社会ってなんだっけ?

それでも、家族の介護の現実とか
健常者がいつも元気とは限らないとか
障害のある人は生きてるだけで「えらいね」って言われて
やんわりと「下」に見られてるよね、とかさ
とは言ってもね、ということもたくさんある

散らばっているかのようだった短編の物語が
決してばらばらじゃなかったことに気が付いたとき
これはミステリーだったのかと・・・ぞわぞわした

それでもこの物語のタイトルは
「ワンダフル・ライフ」なんですよね

2024年2月12日

読書状況 読み終わった [2024年2月12日]

梅雨が苦手で、その時期の滝場はいつも起きられなかった。だからオレも一緒に遅刻してた。

滝場はクラスでいつも笑いをとってた

“ほとんど暴力みたいにクラスメイトや先生をいじっていた。嫌な顔するひとがいた。注意するひともいた。俺は傍観することが多かったが、たまに「いやいじりすぎやろ」とかいうこともあった。それで笑いが起こった。きつかった”

滝場は転校してきたユウキとお笑いコンビを組んで、お笑い芸人になった
相方はオレじゃなかった

アイツらが少しずつ劇場に立ち
名前が出てきたころ
コロナが始まった

オレは勤めていたホテルが潰れ、クビになった

笑いはストレス発散になった。
でも、見た目や性別をいじること。
それで傷つく人がいること。
芸人本人たちは案外平気なのかもしれない。
見えないけどお互いの信頼関係やその場のノリや。
でもそれを見ている人がマネをする。
傷だけが広がっていく。




テレビを見るのがつまらなくなった
誰かが何かすることを、傍観して、傷つかないところからつっこむ
この流れが普段の会話でもマネする人がいて
それがたまらなく嫌いだ

そんな時、大前粟生さんのトークイベントでいろんな話をうかがい、どーにもこの本が気になって読んだ

青春の物語でもあると同時に
やっぱり“傷”のことを考えている

それでも
“笑いが傷つかない漫才がしたい”
という言葉に少し未来を感じた

2024年2月11日

読書状況 読み終わった [2024年2月11日]

チワワと聞いて、何を思い浮かべる?
ふるふると小さく震えながら
うるうるの目を見開いて
こちらを見上げる小さな小さな犬

琴美は採用担当の仕事をしてる
いろんな人に会い
いろんな人の人生の岐路を見る
私は大した人間じゃない
たまたま
たまたまこの仕事に就けただけだ

マッチングアプリで知り合った新太さんとは
ゆっくりゆっくり関係を育んでいる
と、いっていいと思う

彼のシャツの袖口に何かついてる
チワワ?
採用面接に来た学生さんのカバンに何かついてる
チワワのピンバッチ?
「新太さんにもついてましたよね、チワワ」
と口にしたら
新太さんと連絡が取れなくなった

琴美は嫌われた?一緒に旅行に行こうって約束したのに??

あっというまに
チワワのピンバッチをつけられてしまう
チワワテロが発生した
チワワ?

琴美に救いの手が現れた
高校時代の友達で、今はきらきらしたインフルエンサーのミア
「大丈夫、私がそばにいるよ」
そういって、琴美をいつも安心させてくれた
でも、ミアに頼り切っていいんだろうか
「琴美だけはいつまでも、弱くてかわいいままでいてね」
何か、何か、これに甘えるのは、なんか違う気がしている

弱さが、同情を集めれば、もう誰にも攻撃されない
チワワみたいに弱い存在であれば
濡れた瞳を震わせていれば
「かわいそう」
という同情のコメントを集めることができる

弱さこそが、この世界に生きていく強さだ

謎解きもあり、インフルエンサー、ユーチューバーもあり
ツイッターはXと記載され
就活でもSNSは大切なツールになる
とても、今どきを反映しているように思って読んだ

大前粟生さんは「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」や
「きみだからさびしい」を読んだ。
もっと線の細い人かと思っていた。
トークイベントでとつとつとしゃべる姿は
小説を書くのは当たり前、それ以外のことはいらない
そんな風な方に見えた

サインしていただいた。
「きみだからさびしい」がとても好きだということをお伝えした
もっとほかの本も読んでみたい作家さんだ

2024年2月11日

読書状況 読み終わった [2024年2月11日]

PMSを抱えた藤沢さんとパニック障害を抱えた山添くん

藤沢さんは毎月生理前になると、我慢できないぐらいいら立ってしまい、周りにあたりちらしてしまう

そして、症状が消えると後悔の嵐に飲み込まれる

新人のくせに、上司にいら立ちをぶつけてしまった

もうだめだ。

逃げるように入ったばかりの会社を辞めた。

山添くんはある日突然、動悸がして汗が止まらずどうにも気持ちが落ち着かず

今までできていた、仕事やコミュニケーションができなくなった

どうにもこうにも、不安にかられてしまう

会社を辞めた。電車にも乗れない、お金もない。

引っ越しして転職した。

二人ともひっそりと小さな会社の同僚になった

若手、と言われ大人ばかりの職場で、持ち上げられたり気を使われたりしながら

迷惑をかけないように、逃げ出さないように

がんばっていた

ふたりとも、苦しさを知っているからこその

相手を思う気持ちと、思わなすぎない気持ちの持ち方が

とても優しくて

こうやって、周りの様子を見て、自分にできることをして

少しずつ、少しずつ前に進んでいくことの

喜びを感じていく

瀬尾まいこさんの描く世界は、どれもとても優しくて

優しくて、優しい

二人を見守るように、温かい目線を向ける優しい大人たちみたいな

そんな人になりたいなあと思った

つらく苦しい経験をしたからこそ、わかる気持ちもあるし

そんな劇的な経験がなくっても、相手のことを想像することは、できる

映画化されると聞いて、慌てて読んだ

主演の二人は、朝ドラであっという間に会えなくなってしまった夫婦だった二人

あの時に見られなかった二人の姿が見られるようで

ちょっと嬉しい

という気持ちで原作を読んだので

すっかり藤沢さんと山添くんはあの二人のイメージで読んでしまった

読了後の幸せな気持ちのあふれ方がすごい

なんかもお、にこにこが止まらない

2024年2月2日

読書状況 読み終わった [2024年2月2日]

居酒屋でごくごくビールが飲みたくなる

角田光代さんと河野丈洋さんご夫婦は、2人でよく飲みに行かれるそうだ。

これを読むとわかる。場数が全然違う

一緒に飲んだお店のことを、お互いが別々に書いたこの本

お二人の視点が少しずつ違っていて

それがまた、どちらも美味しそうだから

ビール飲みたくなるし、レモンサワー飲みたくなる

主に西荻、吉祥寺、高円寺などなど

めちゃくちゃマップにピンを立てました

これは行きたくなる。

でも、もっといいのは、お二人で飲むときに

あれこれと日常のことも仕事のこともおしゃべりして

また、ある時は、お互いの友人たちを招いて、話をしながら飲む。

そう、お酒やおつまみもいいんだけど

この「人と話しながら飲む」のがいい

“翌日「ああ、なんだかわからないが昨日は楽しかった」と思う”

そうなの、これなの

すごい、深いことや

いいこと話してたとしても

ぽんわりと「楽しかった」ことだけ覚えてる

おいしいもの食べて

おいしいお酒を飲んで

楽しく人としゃべる

これが、一番楽しいんだよねってのを

改めて思ってニコニコしちゃう

そんな幸せの本でした

さあ、一緒に飲みに行きませんか?

2024年1月17日

読書状況 読み終わった [2024年1月17日]

真智加の髪は細く、分け目から地肌が広く見えてしまう。
薄毛、と言われ傷ついた

しかし、原因不明の感染症で、ほぼ全員の髪が抜け落ちた
みんな、基本的に、はげ
老若男女、つるっぱげである

今、まだ生えていても
ある日突然、髪がはらはらと抜け落ちる
みんなはげだから、恥ずかしくない

ウィッグは、はげ隠しではなく、おしゃれのひとつで、いろんな色や形がある
頭皮にするタトゥーも流行っている
世界はこの感染症に慣れてきた

すると、私にだけ、生えてきている
どうしよう、生えているなんてバレたら
何を言われるかわからない
仲間、じゃなくなってしまう

でも、ほんの少しの優越感もある
私には、生えている



高瀬さんの中編小説である
このU-NEXT出版の本は「約100分夢中で読める中編小説」を年4回刊行している。
津村記久子さんの本も気になっているけど
高瀬隼子さんも出しているのは知らなかった

久しぶりの高瀬さんでしたけど
相変わらずの高瀬さんでした
もうね、はげ、を連呼しすぎです

2024年1月8日

読書状況 読み終わった [2024年1月8日]

ここのところ、慌ただしすぎて本が読めない
読めるのは、日記

ずーーーーーーーーっと並走している気がしている銀色夏生さんの日記。シリーズ43、のこの本。

相変わらず、のんびりとひとり、日々を暮らし
退屈なんだけど、あ!と急に何か思いついたりする。それが、「退屈、ピカリ」

この思い立って、急に何かを買ったり始めたりして、あれ、思ってたのと違う、って思う。やっぱり衝動的に動かないで、じっくり検討すればよかった。ってなる流れは、私も同じで、わかる!って何度も頷きながらいつも読んでる。

畑を作って、温泉に通って、仕事して、本を読んで。それってサイコーなんだけど、それが当たり前になると、飽きてしまうのかもしれない。

その中にも、創作や、作ることに対して、ふと思いついたことが書かれていたりして、やっぱり銀色さんはすごい、って思う。

人生のアレコレをクリアしていくためには、どうクリアするかの方法や、その考え方、納得いくかどうか。そういうことも全部必要だと思う。

その試行錯誤を銀色さんは日記に書いていて、私はずいぶん若い頃からとても影響を受けていると思う。

先日、産業医の先生にアドバイスされたように
“性格は変わらない。でも考え方は変えられる”
そのためには、やっぱり考え続けて、トライして、調整していって、自分の最適解を探し続けるんだろう。

2023年12月2日

読書状況 読み終わった [2023年12月2日]

秋乃が働き始めたその百貨店は、来るお客様がすべて動物でした。

新人コンシェルジュとして、大きかったり小さかったりする動物のお客様の、困りごとや要望を掬い取り、笑顔になっていただく。

動物の中には「V.I.A」ベリー・インポータント・アニマル。絶滅種の動物もいる。

人間の乱獲など様々な理由で、途絶えてしまった種。だからといって特別扱いをするのか?お客様には、みんな笑顔になっていただきたい。秋乃の成長物語でもある。

繊細な絵柄で、秋乃や動物たち、憧れの場所である百貨店が描かれている。昔の、キラキラしてた三越や高島屋の雰囲気を感じる。

お仕事物語でもありながら、動物や地球のこと、文明の発展なんかのこともふと考えたくなる。

これがアニメになり、映画館で観られるという。ぜひ、観に行きたい!

2023年11月26日

読書状況 読み終わった [2023年11月26日]

“みんなみんな思い出を抱きしめて、思い出に生かされたり殺されそうになったりしながら、なんやかんやで生きている”

今、私は新しい生活を整えている
生活って、住むこと、自分で支度すること

昨日も今日も明日もあさっても、寝て起きて、働いて、帰ってきて、食べて、寝ること。
ただただ続くこと

まだ、慌ただしくて落ち着かない。
毎日淡々と続く“生活”がしたいと願っている

毎日続く生活は、同じようだけど、やっぱり少しずつ違ってきていて、それは、その時に一緒にいる人によることは、かなり大きい

小原さんは、実家暮らし、寮暮らし、一人暮らし、二人暮らし、三人暮らしの中でのことを、今回は書いている。

既刊「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」にも出てくるお兄さん。
どうにもこうにも仲が悪いらしい
でも、それでも憎みきれない

“おなじ愛、おなじ理不尽を知っているのだ。よそのことはわからずに、うちのことだけ知っている。おなじふたりに名づけられた私たちなのである”

このお兄さんの「レモンティーの話」をトークイベントの中で、小原さんから聞いた。この笑っちゃうんだけど、なんかやっぱり愛のある話なのがすごく好き。

きょうだい、というものがいない私には、まったくわからない感覚だからこそ、大人になってからのきょうだいの仲が悪い話が好きなのかもしれない。

“思い出ってヤツに生かされたり、殺されかけたりしながら、なんやかんやで生きている”

そんなに気づいてなかったけど
生活って、真剣で、かわいくていいな

小原さんの「これが生活なのかしらん」を読んで、私はどうだろうって
なんか生活を作ることにぐっと気持ちが向いた

小原晩さんと星野文月さんのトークイベントに参加した
2人のおしゃべりは、とても楽しくて
西荻窪の書店BREWBOOKSで、少人数で開催された
楽しいおしゃべりなんだけど、2人の書くことに対する考えを聞くと、とても刺激を受ける

ふんわりしているようで、向き合っているものはものすごく真剣で、尖っていて、キラキラしてる
だから、目を奪われる

2023年11月20日

読書状況 読み終わった [2023年11月20日]

2022年2月1日(火)〜2022年7月31日(日)の日記。

宮崎の自分の家で、マイペースに過ごす。

自然農業でひとりで食べられる分の野菜を作り、温泉でサウナに入り、おしゃべりして

たまに仲間と山登りをしたり

作品を作ったりする

“今、世界ではさまざまな事件が起こってるけど、私の生活圏内はいたって平和だ。車で半径15分というのが私のストレスのない生活圏で、その中で家と畑と買い物と温泉をくるくる。静かにのんびり暮らしてる”

私は今、新しい生活を始めて、なかなか安定しない日々を過ごしている。安定した静かな生活に、ものすごく憧れている。

気持ちがざわざわと落ち着かない時に、この日記にとても救われている。

日々の中での小さな発見や気づきがあり、それがたまにポロリと日常の中にこぼれてくる。

そう、そういうふとした考えを取りこぼしたくなくて、日記を書いているのかもしれない。日記を書く事で、ふと考えるのかもしれない。

日記を読むことに夢中になったのも、たぶんこのつれづれノートシリーズに出会ったからかもしれない。

2023年11月8日

読書状況 読み終わった [2023年11月8日]

すっかり時間が経ってしまった
ずっと並走してきた「つれづれノート」
もう41巻か
いよいよ宮崎の家に本格的に住んで
世間はコロナだなんだとざわついてるけど
一人暮らしだもの
誰とも関わらなくても大丈夫
庭で花をめでて、畑で野菜を作る
自分だけのために
畑、温泉、ごはん、虫の声、静かな夜
ここに向かうために、銀色さんは
あれこれしてきたんだ
気になることには手を出して
いらないなーと思えばすぐ離れる
でも、その中でも自分に大切な物は?
ストイックに考え抜いてると思いきや
生活の中で、考えることの比重はそれぞれちがって
でも、ある日突然思い出しては
やっぱり、そうだよね、と思い返したり
日記、というものの良さを教えてくれた
つれづれノート
慌ただしくて小説は読めないけど
日記なら読める、落ち着く
改めて、帰ってきたって思えた

2023年10月30日

読書状況 読み終わった [2023年10月30日]

“伝わらないんです、写真だけでは”


写真家の幡野広志さん。先日トークショーにも行ってきて、サインももらえた。

写真って撮るのも見るのも好きだけど、値の設定とか難しいことはわかんなくて。

どこかに出かけても、この観光地の素晴らしい景色は、上手なカメラマンが撮った方がいいから、いいや。って思うことが多い。

じゃ、私にしか撮れない写真ってなんだろう?と考えた時、その瞬間に時間を共有してる誰かの顔や、気配だと思う。でも、人にカメラを向ける勇気はないので、よそを向いてるところだったり、後姿だったりする。幡野さんも「人にカメラを向けられるのはイヤだから、向けないようにしてる」とおっしゃってた。

この本は、短いエッセイと写真がワンセットになっていくつも載っている。こんなことがあってね、それでね、こういう写真を撮ったんだ。というおしゃべりを聞いているみたいで。

雑談してると、いろんな話を思い出して、コロコロと話題が転がっていくことがある。この本を読んでいる間も、そうそう私もさーって何度もいろんな話を思い出した。


私は、読み終わった本の書影は必ず自分で撮影する。iPhoneだけど。読み終わった場所で撮るようにしてる。

実はバーミヤンで読み終われば、帰りにエントランスで撮ったり、電車で読み終わったら、車内で撮ったりもする。

私には、どこでどんな風に読み終わって、どんな気持ちで撮ったのか、写真を見て、自分のキャプションを読むと思い出す。文字だけでは、思い出さないことも、写真は思い出させてくれると思っている。

2023年9月28日

読書状況 読み終わった [2023年9月28日]
読書状況 積読
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