小さき者へ・生れ出づる悩み (新潮文庫)

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本棚登録 : 923
レビュー : 109
著者 :
ここ花さん ◇純文学   読み終わった 

『小さき者へ』‥
作家が全力で書いた作品は、たとえ短い掌編でも、心を揺さぶられる感動を伴って迫ってくる。
わずか10分程度で読み切れるこの作品を読むたびにあふれる涙を抑えきれない。
妻を亡くした有島武郎自身が、我が子に宛てた手紙である。(あるいは遺書ともいえる)
不器用だが、力強く、ゆるぎない信念を持った父親の心情を目の当たりにした時、子どもは親の深い愛情を知り、
胸を熱くするだろう。そして、まっすぐに生きようとするだろう。
最後の一行に、全力で子どもに伝えたかった言葉が凝縮されている。

『生まれ出づる悩み』‥
「私」(作者自身)の内面の苦しみが、本木君という青年漁夫の、絵を描き、芸術を生みだそうとする苦しみに、共感と希望を見出していく。次の成長へ踏み出す時の葛藤や悩みは、時代を超えて普遍なんじゃないかな‥と。
大正時代に書かれたとは思えないほど心にスッと入ってくる文章がいい。力強いエールで完結されるところも。
過去に読了。レビューのため再読。

レビュー投稿日
2010年5月13日
読了日
1974年月
本棚登録日
2010年5月13日
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  • 2010年5月13日

    再読しました。

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