日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島 (角川oneテーマ21)

  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年2月10日発売)
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感想 : 47
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 領土問題は、国益に係ることで、国家公務員の基礎知識と思って、常時勉強している。

 中国の台頭を前提にして、韓国、ロシアとの連携をさぐる必要がある。その喉元の小骨が領土問題。

 この本における、東郷さんの主な主張として自分が理解した点。

(1)ロシアが一番弱っていた時代の東郷さんの外交交渉が挫折していらい、千島列島は交渉の糸口さえない状況。当時の主権は日本にして、統治は当面、ロシアとか、面積案分案などのような案でさえロシアがのむ可能性は薄い。その状況で、どうやって歯舞色丹だけでなく、国後択捉について日本の関与をみつけだしていくか、極めて厳しい状況にあることがわかった。

(2)竹島は、日本は、単なる領土問題と捉えているが、韓国は、韓国併合の前哨戦としての歴史問題としてとらえ、感情的に譲歩ができない状況にある。その一方で、日本は、中国とのバランスで韓国と良好な関係を保つ必要がある。その糸口をどうみつけるかの問題。

(3)尖閣は、田中総理時代の棚上げ論を、海上巡視艇への衝突事件で、国内法で処理するとしたために、自らそれを放棄し、中国の様々な圧力、最終的には武力行使の可能性までまねいてしまった。本来資源問題であったこの領土問題を、歴史問題にまで難化させない努力が必要。

 いずれも、生半可な愛国意識で解決できる問題ではない。国益を第一に考える強い意志を持ちつつ、相手方の利益とのバランスを考え、一歩でも漸進させる、粘り強い態度が、外務官僚、政治家に必要だと思う。

 平和的な交渉で格好のいい結論はない。国民もそのような中途半端な前進を受け止めていく必要がある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国際関係
感想投稿日 : 2012年2月26日
読了日 : 2012年2月26日
本棚登録日 : 2012年2月26日

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