日本人は思想したか (新潮文庫 よ 20-1)

  • 新潮社 (1998年12月1日発売)
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感想 : 17
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  『日本人は思想したか』は、吉本隆明、梅原猛、中沢新一の3氏の対談。

 話している内容が古事記から、親鸞、法然、柿木人麻呂、西田幾多郎、など多岐にわたって理解できる部分と理解できない部分がある。

 ただし、3人がかみ合っているのがおもしろい。

 自分として、おもしろいと思った指摘。

(1)吉本:「共同幻想」の中で、ヘーゲルは近代国家をモデルに作り、マルクスもそうした意味から少し翻って、たぶん国家が宗教の共同性や習俗の共同性と区別がつかなかった時代のことまで共同幻想の共同幻想の中に含めようと考えた。(p27)

(2)吉本:唯一ありうる倫理といえば、この種の問題はとても本質的と考えて、まず早急な結論づけはしないということが第一の重要性を持っている。(p68)

(3)吉本:同じ地名をふたつ重ねているような枕詞があると、それは先住の人たちと後住の人たちが同じような地域でさして争いもなく一緒にいたことを象徴するのだと思います。(p75)

 吉本さんは、自分より一回り上の世代に大きな影響を与えたが、糸井重里さんが吉本さんの話を残そうという活動をしていて関心を持っていた。

 もう少し、吉本さんの生の声で勉強したかったな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2012年3月18日
読了日 : 2012年3月18日
本棚登録日 : 2012年3月18日

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