タイの基礎知識 (アジアの基礎知識)

著者 :
  • めこん (2016年5月10日発売)
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感想 : 8
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地理気候歴史など幅広い分野をカバーしていますが、個人的に印象に残ったポイント:

<社会>
東南アジアはベトナム、ジャワ、ルソン(フィリピン)など一部の地域を除いて人口密度の小さい小人口世界であり、土地よりも人の方が重要な資源であったことから、伝統的な戦争における戦利品は人であり、二者関係が卓越した社会が形成された(保護を与えるピーと忠誠を尽くすノーン)。タイ社会は個人主義的な傾向が強く、集団主義的日本社会と比べて「緩い」社会と形容される。また、とりあえず社会の構成員の誰かと二者関係を構築すれば、新参者もすぐ社会の一員になれるという側面があり外国人にとって居心地がいい。タイの「能力があれば出自を問わず登用する」という伝統の基盤となっている。

<歴史>
・ラーマ4世はビルマや中国が列強に敗北するのを見て、 列強と対立するのではなく可能な限り列強の要求を受け入れて良好な関係を構築する道を選んだ。その結果、イギリスと不平等条約を締結し伝統的な皇室独占貿易を廃止し自由貿易を認めた。(このようにタイ経済を握っている存在であったことが、タイ王室が世界一お金持ちの理由?)最大の財源である王室独占貿易から収入を失うことになったので、これに代わる財源として輸出を奨励することになった。当時米は東南アジアの植民地化に伴い需要が増していた。
・ラーマ5世は、タイの独立を守るために分権的な国家体制の中央集権化を推進した(チャックリー改革)。結果的に中央集権化の推進と鉄道による経済的統合の成果によりイギリスとフランスが定めた緩衝地帯よりも多くの領土をタイ国の領土として保全することができた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 学術
感想投稿日 : 2020年5月9日
読了日 : 2019年10月10日
本棚登録日 : 2020年5月9日

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