種明かしがされた時の「彼」のことを思うと、本当に胸にグッと来るものがありました。
本編中では見えなかった彼女の言葉にどれだけ心を揺さぶられていたか分かった場面は特に。
ファンタジーだった世界はくるりと回って現実味を取り戻し、悪魔は人間に、そして天使になる。
物語の雰囲気も、ここで沈鬱さを感じる暗さから、希望の持てる明るく軽やかなものに変わるのも素敵。
目の前がぱあっと明るく広がったのを確かに感じました。
この場面に辿り着くまでに、非常に丁寧に丁寧に描写もされていたし、伏線も張られていたので、より感動が際立ったと思います。
「彼」の想いが報われて本当によかった。
最後の最後にも、さらっと種明かしその2も用意されていて、序盤に感じた違和感もちゃんとフォローしてくれているところも見事でした。
素敵なラブストーリーでミステリでした。
神様どうかこの先は、この二人が大切なものを無くさずに済むように見守っていてください。
そう祈りたくなる物語でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(作者名:た行)
- 感想投稿日 : 2019年9月4日
- 読了日 : 2019年9月4日
- 本棚登録日 : 2019年9月4日
みんなの感想をみる