遺跡発掘師は笑わない 勤王の秘印 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2019年8月23日発売)
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感想 : 12
4

土佐勤王党のお話かと思いきや、それだけでは収まらず、時代がさらに遡ることになろうとは。
ある遺物の意匠があの一族のものだったし、舞台はあの一族の伝説の多い四国。
無理なく話を広げてきた印象。
今回のキーアイテムは御璽だから、その点でもあの天皇の話にまで至るのは突飛な発想ではないと思う。
ただ予想はしていなかったけれども。
こんなに話が広がるとは思わなかった。
夢がある!

今回は歴史的解釈の方に重きが置かれていた感じで、無量の神がかった発掘シーンが少なかったのが物足りない点ではある。
一方で忍ちゃんの立場を脅かす新キャラも出てきて、無量の周辺は(本人が気づかないうちに)きな臭い感じになってきていてハラハラした。
彼は今回それどころではなかったしなあ。
永倉ちゃんの幼馴染み的立場の人間が出てきて、随分ヤキモチ焼いていたから。
今回の無量は気持ちのアップダウンが忙しかった気がする。
そりゃ発掘シーンも少なくなるよ。

個人的には土佐勤王党もあの一族話も好きなので、この両者を絡めて話を広げてきた今回の話はお気に入りの話になりそう。
ただGRMの動きが怖い。
最終的にはどう着地させるのだろう……気になる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(作者名:か行)
感想投稿日 : 2020年12月31日
読了日 : 2020年12月23日
本棚登録日 : 2020年12月23日

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