極楽の鯛茶漬け 伊織食道楽事件帳 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2021年5月21日発売)
本で見る
2.70
  • (1)
  • (0)
  • (5)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 49
感想 : 7
3

帯には「将軍の食膳もとめ、美食の剣士が東奔西走!」とあるが、実際に将軍のために奔走する話はほぼない。
それよりは、主人公自身に降りかかる災難や、彼が贔屓にしたい店でのトラブル、そして大奥の人たちが絡んだ殺人事件を解決する話になるので、将軍とは?という状況に。
つまり、帯に書いてある話のほんの序章といった印象の一冊だった。
主人公にちょっかいを出してくる巨悪はこの話では全然傷ついていないし、お家復興のとっかかりすら微妙という。
あくまで主人公の手の届く範囲での事件の解決話だった。
事件そのものは面白いし、ユニークな登場人物(あくまで味方側に限る)たちが多くて親しみやすく、時代小説を読みなれていない自分でも楽しんで読めるミステリだった。
料理も美味しそうである。
ただあの悪趣味な極楽茶漬けはいらないかな、うん(読んだうえでの判断)
主人公も一回食べれば十分と言っていたけど、それには同意。
敵側が絡んだ食事は総じて悪趣味なんだよな……

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(作者名:あ行)
感想投稿日 : 2021年6月6日
読了日 : 2021年6月5日
本棚登録日 : 2021年6月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする